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円安が狭めるアベノミクスの政策手段

村嶋帰一・シティグループ証券チーフエコノミストに聞く

2014年10月9日(木)

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来年10月からの消費増税の判断が迫る中、景気の後退が現実味を帯びてきた。期待された円安効果も肩透かしに終わる公算が強まっている。シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは、円安進行によって安倍政権の政策手段が狭められたと指摘する。(聞き手は渡辺 康仁)

円安・ドル高が急激に進み、一時1ドル=110円を付けました。この展開を多くの人は予想していなかったのではないでしょうか。

村嶋 帰一(むらしま・きいち)氏
シティグループ証券投資戦略部経済・金利戦略グループ チーフエコノミスト。1964年生まれ。1988年に東京大学卒業、野村総合研究所に入社。1993年に経済企画庁(現内閣府)に出向し、月例経済報告や経済白書などを担当。2002年に野村総合研究所を退社し、日興ソロモン・スミス・バーニー証券に入社。その後、日興シティグループ証券、シティグループ証券へと社名変更。(写真:清水盟貴)

村嶋:為替は相対価値ですので、日米双方の要因が動かす可能性があります。8月以降の円安は、日銀の追加緩和への期待の高まりなど日本サイドの要因によってもたらされたものではありません。米国の景気の足取りがしっかりしてきて、米連邦準備理事会(FRB)がまずは資産買入れプログラムを終了し、その後、利上げに動いていく可能性が強まったことが背景にあります。

 FRBのコアメンバーの発言も夏場くらいから変化し始めています。イエレン議長は筋金入りのハト派でしたが、8月頃から軌道修正を図っている感じがあります。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録や記者会見を見ても、金融の正常化を従来考えていたよりは速いペースで進めるべきだという議論が出てきています。こうした動きが米国の実体経済の正常化と相まってドルを押し上げたと言えます。

いわゆるアベノミクス相場が始まった当初は、円安に対して海外から「通貨安競争だ」という批判もありました。日米欧の状況は変化しているのでしょうか。

村嶋:米経済の強さに見合う形で金融の正常化が進むのであれば、それに伴ってドルが上昇するのは自然だという認識は共有されていると思います。それと同時に、中央銀行が通貨安を景気や物価のために使っていい国や地域があるとすれば、それは欧州中央銀行(ECB)だという認識もある。ですから現時点では為替を巡る摩擦が生じていないのでしょう。

円安・ドル高はまだ進む可能性がありますか。

村嶋:そこが今、大きな問題になっていると思います。日本の政策当局や政治家の間で一段の円安に対する懸念が出ています。円安が全体としてマイナスになっているかどうかは議論の余地がある難しい問題です。少なくとも、日本国内の分配に大きな影響を与えるという見方はできます。中小企業や非製造業、そして家計から大企業製造業にかなり大きな所得移転をもたらすことは間違いありません。

 政治的には円安によって悪影響を受ける人たちに関心が集まっています。米国サイドの要因によって緩やかに円安・ドル高が進むのであれば、ある程度は受け入れ可能でしょうが、日本当局が主体的に円安に誘導する可能性はだいぶ小さくなっています。

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「円安が狭めるアベノミクスの政策手段」の著者

渡辺 康仁

渡辺 康仁(わたなべ・やすひと)

日経ビジネス副編集長

1994年日本経済新聞社に入社。2002年から2004年まで日経ビジネス記者。日経新聞に戻り、編集局経済部などを経て2013年から日経ビジネス副編集長。アベノミクスの行方に関心を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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