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シェール資源開発失敗に「リスク」の考え方を問う

『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? 』の岩瀬昇氏に聞く

2014年10月10日(金)

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住友商事のシェールオイル開発失敗が大きく報道された。市況や埋蔵量の読みが甘かった、というのが結論のようだ。が、素人として不思議なのは、「そもそも資源開発にリスクはつきもののはずで、そこを意識しすぎたら何もできないのではないか?」ということ。ビジネスパーソンとしての人生を商社と石油開発会社で過ごし、ずっとエネルギーに関わってこられた岩瀬昇さんにお聞きした。

(聞き手は山中 浩之)

━━住友商事のシェールオイル開発失敗が大きく報道されました。資源ビジネスってやっぱり怖いんだ…というのが最初の感想なのですけれど。

(日本経済新聞の電子版記事:「住商、減損損失2700億円 シェールオイル開発など失敗」)
岩瀬 昇(いわせ・のぼる)
エネルギーアナリスト。1948年埼玉県生まれ。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発を退職した後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著作に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか? エネルギー情報学入門

岩瀬:日経は一番読み込んで書いていましたけれど、「(天然ガスや石油の)価格変動が理由だ」という書き方をしている全国紙があって驚きました。また、記者会見で言われたこと、発表されたことをそのまま書いているだけで、まったく理解をしようともしてないと思わせる紙面のところもありましたね。

━━そもそも記者会見では減損する理由を「取得後の試掘で『想定した以上に地下の油層が複雑で採掘コストがかかる』ことが分かったため」、としていますね。つまり、空井戸だったわけではない。シェールオイルは存在するけれど、回収できる量が不十分、突き詰めれば岩瀬さんが本で説明している「資源量」と「埋蔵量」との差だったということでしょうか。

岩瀬:そこまで言い切っていいのかどうかは分かりませんが、少々説明させて下さい。

「埋蔵量」が増えていく理由

簡単に言うと、資源量は「地中に存在するすべての炭化水素(ハイドロカーボン)の量」です。これにも何種類かありまして、米エネルギー情報局(EIA)が発表しているシェールガス・オイルの数値は、「技術的に回収可能な資源量」です。そこには、コストの意識はありません。

 これに対して「埋蔵量」は、「技術的に回収可能な資源量」のうち、通常の方法で経済的に回収が可能なものを指します。こちらもいくつか区分があり、厳密な定義はないのですが、9割方回収できる可能性があるものを「確認埋蔵量」と呼びます。業界関係者が「埋蔵量」という場合はたいていこのことですね。

━━技術は進歩し、コストも下がりますから、以前は採算に乗らなかった資源もだんだん安く回収できるようになるので、「埋蔵量」は年を追って伸びていく。

岩瀬:簡単に言えば、そういうことです。また、石油価格が上昇すれば「埋蔵量」も増える余地が生まれることになる。コストをかけても引き合うようになるわけですからね。

━━シェールオイルはまさにそうしてコストと引き合うようになった。

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「シェール資源開発失敗に「リスク」の考え方を問う」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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