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第3回 食料危機を救う緑の革命はまた起きるのか

File6 日本発、次世代の緑の革命 芦苅基行

2014年10月16日(木)

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 芦苅さんは自分が持つ技術でアフリカの飢餓問題を解決したいとWISHプロジェクトを立ち上げた。アフリカは2050年までの人口増加率が最も高いと推測されるうえ、過去20年間の飢餓人口が世界で唯一増加している地域だ。これから起こるだろう食料危機の最も重要な課題がアフリカの食料問題だと考えられるが、そこへコメを普及させるのはどうしてなのか。芦苅さんはこう話す。

名古屋大学生物機能開発利用研究センター教授で「WISH」プロジェクトを主宰する芦苅基行さん。(以下撮影:的野弘路)

「アフリカではコメの需要がとても伸びています。西アフリカでは主食としている国もある。先に述べたように栄養面でとても優れているし、腹持ちもいいからです。でも、多くの国が輸入に頼っています。コメはお祝い事の時にしか食べられない人もいる、高級品なのです。それならコメを自給自足できるようにすればいいのではないかと考えたのです」

 もちろん、そうした類の援助はアフリカ各地ですでに行われている。しかし、その多くが外来種のイネを使っていると芦苅さんはいう。

「日本人はおそらく、世界で一番美味しいコメを食べ、世界で一番美味しいトマトやモモやブドウを食べています。これらはすべて育種家の努力の賜物ですが、どれもその地の土壌に適した品種を栽培しているんです。でも、アフリカのイネは別の場所から入ってきた品種を育てているのであって、必ずしもその土地に適したものではありません」

その土地に合わせた品種改良を

 File3「アフリカの稲作支援」でも紹介したように、アフリカの土壌に適するように品種改良されたイネではネリカがある。アフリカ東部のウガンダなどでは、従来育てられていたイネの数倍の収穫量が得られるため“スーパーライス”として期待されているものだ。しかし、アフリカ大陸は日本の国土の約80倍の面積を持ち、気候も多種多様。数十種のネリカ品種だけではまかないきれない場所も多々あり、需要は大いにあると芦苅さんは考える。

「土壌の違いだけではありません。好みの問題もある。たとえば、東アフリカのケニアではバスマティという香り米を好んで食べていますが、西アフリカではこの種のコメは嫌われています。私たちのプロジェクトでは、ケニアで収量を上げたいのであればバスマティに粒や枝を増やす遺伝子を交配すればいいし、西アフリカであればその土地の人たちが好むイネを改良することができる。その土地に合わせたイネの品種改良が可能なのです」

『ナショナル ジオグラフィック日本版』本誌2014年10月号では2050年、90億人時代に向けた特集「次世代の緑の革命」を掲載しています。世界での状況を紹介したWebでの記事はこちら。フォトギャラリーはこちらです。ぜひあわせてご覧ください。

「インタビュー 日本の食の未来」のバックナンバー

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「第3回 食料危機を救う緑の革命はまた起きるのか」の著者

中川 明紀

中川 明紀(なかがわ・あき)

ライター

講談社で書籍、隔月誌、週刊誌の編集に携わったのち、2013年よりライターとして活動をスタート。インタビュー記事を中心に、雑誌や電子出版物で活躍している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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