• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

お・も・て・な・しは日本人の自己満足か

日本の観光産業はGDP38兆円分の成長余地がある

2014年10月24日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

「2020年に訪日客2000万人」の目標を掲げつつ、観光市場で国際的に大きく出遅れている日本。「観光産業を世界の平均並みに引き上げるだけで、GDPを38兆円押し上げる効果がある」と小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長は言う。銀行アナリストから文化財の補修を手がける同社の社長に転身したアトキンソン氏は、重要な観光コンテンツである文化財が整備・活用されていないと指摘。「おもてなし」に関する日本人の思い込みにも違和感を覚えると語る。

(聞き手は、秋山知子)

小西美術工藝社は国宝や重要文化財の補修を手がける、370年の歴史を持つ会社です。アトキンソンさんはかつてゴールドマン・サックスで銀行アナリストとして活躍され、5年前から小西美術の社長として経営改革に取り組まれています。伝統技術を扱う老舗であり、社内の制度や慣習なども独特な部分があったと思いますが、どのように進めてこられたのでしょうか。

David Atkinson氏
小西美術工藝社代表取締役社長。1965年、イギリス生まれ。オックスフォード大学で日本学を専攻。アンダーセン・コンサルティング、ソロモン・ブラザーズを経て92年にゴールドマン・サックスに入社。日本の大手銀行の不良債権問題のレポートで注目を集める。2007年に退社、2009年に小西美術工藝社に入社。2011年から現職。近著に『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8パーセント成長への提言 』(講談社+α新書) 写真:丸毛透

アトキンソン:まず、伝統技術とか職人文化とか言いますが、自分としてはそういうことには割と否定的です。この会社で今までやってきた改革は、ただ単に、一般のビジネスとして考えて、ビジネスの常識を入れたというだけの話だと思います。

 伝統技術は、そもそもどこからが伝統技術なのかというと難しいんです。例えば当社は漆塗りをやっていますけれども、西洋のペンキが入ってくるまでは漆がジャパニーズ・ペイントでした。それは当時としてももちろん素晴らしい技術ですが、あえて伝統技術とか伝統文化というものではなかった。

ただ当時は普通に漆が使われていたということですね。

アトキンソン:普通に使われていたものが、西洋から入ってきたものに代わっていっただけでしょう。古いからといって漆を美化する必要があるんでしょうか。漆塗りの人間国宝はいるけどペンキ塗りの人間国宝はいませんね。じゃあ何が違うのかというと、単に古いか新しいかだけ。そもそも、そういう区別をするのは間違いだと思います。

小西美術には50人以上の職人がおられますが、昔からの職人文化が厳然とあったそうですね。

アトキンソン:職人によく「私は朝から晩までひたすら自分の技術を磨きたいんだ」と言われるんです。ただ、普通の会社員だって、そりゃ自分のやりたいことを朝から晩までやっていたい人はたくさんいるでしょう。普通はそんなことは無理なのに、職人だけは伝統技術だからずっと技術を磨いていればいいとか、工期は守らなくてもいいとか、年齢がいくほど給料が高くて当たり前というのはおかしい。

それまでの年功序列の賃金体系を改めたのですね。

アトキンソン:一般企業は年齢とともに給料がある程度まで上がっていって、その後は定年に向かって下がっていく中で、職人だけが80歳になっても自分たちは給料が上がっていくべきというのはおかしいでしょう。そして、若い人は職人になりたがらないと言いますが、そんなことはありません。

コメント31件コメント/レビュー

提言としては特に真新しさを感じなかった。観光専門家(山田桂一郎やアレックス・カーなど)は実際に地方に入ってより具体例を提示している。観光施策についてのアイデア(関ヶ原の戦い再現イベントによる集客)というのもどうだろう。氏の仰るように1000万以上の宿泊先などお金の落ちるシステムを構築するのは大切なことだが、それならば既存のイベント(世界的に有名なコミケなど)で努力した方が効果的ではないか。地方創生については言語道断。これらの意識を観光庁が唱えたところでそれを実施する行政側が真の意図を理解しておらず、国、県、市の職員が一般市民に間違った伝言ゲームを繰り返している。また、折角儲けた観光収入もより効果的な投資をできる程しっかりした自治体は少ない。結局は携わった者だけが潤う資本主義ゲーム。そこに一石を投じるような提言が聞きたかった。(2014/12/09)

「キーパーソンに聞く」のバックナンバー

一覧

「お・も・て・な・しは日本人の自己満足か」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

提言としては特に真新しさを感じなかった。観光専門家(山田桂一郎やアレックス・カーなど)は実際に地方に入ってより具体例を提示している。観光施策についてのアイデア(関ヶ原の戦い再現イベントによる集客)というのもどうだろう。氏の仰るように1000万以上の宿泊先などお金の落ちるシステムを構築するのは大切なことだが、それならば既存のイベント(世界的に有名なコミケなど)で努力した方が効果的ではないか。地方創生については言語道断。これらの意識を観光庁が唱えたところでそれを実施する行政側が真の意図を理解しておらず、国、県、市の職員が一般市民に間違った伝言ゲームを繰り返している。また、折角儲けた観光収入もより効果的な投資をできる程しっかりした自治体は少ない。結局は携わった者だけが潤う資本主義ゲーム。そこに一石を投じるような提言が聞きたかった。(2014/12/09)

50年前の日本人「そうだな、日本は遅れている。頑張って世界にい追いつこう」現在の日本人「反日外国人や自慰日本人の言うことなど、気にする必要はない。日本のおもてなしは世界一イィーッ」(2014/11/24)

今日の某TKオンラインにもアトキンソンさんの記事が出てましたね。正直、あっちの方が少し分かりやすかったかも・・・?(2014/10/31)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授