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「エンゲージメント強化」がワークスタイル変革の次の焦点に

  • 田中 淳

  • 高下 義弘

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2014年11月13日(木)

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 「ワークスタイルの変革が進むことによって行き着く姿とは、社員同士の『エンゲージメント』が強化されることである」。ガートナー ジャパンのリサーチ部門でインフォメーション・コラボレーション バイスプレジデントを務める志賀嘉津士氏はこう語る。

 モバイル機器の普及、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用などによって、企業組織で働く人々のコミュニケーションや情報共有の姿、ひいては働き方が大きく変わりつつある。一方で志賀氏は「生産性の向上や効率化といった側面は確かに重要だが、それに加えて社員同士が緩く、しかし確実につながっていくという『エンゲージメント』の強化に注目したい」と指摘する。テクノロジーの変化が、社員同士の協働作業、生産活動に何をもたらしつつあるのか。志賀氏に聞いた。

(聞き手は田中 淳=日経コンピュータ、構成は高下 義弘=ライター)

モバイル機器の導入や社内SNSの導入により、ビジネスパーソンの働き方が大きく変わりつつある。こうした動きは総じて、ワークスタイルの変革と呼ばれている。ワークスタイル変革の本質とは一体何で、それは企業をどのような姿に転換させようとしているのか。

志賀 嘉津士氏
ガートナー ジャパン リサーチ部門 インフォメーション・コラボレーション バイスプレジデント。情報システム/PC関連編集者、記者職を経て現職。データクエスト ジャパン (現ガートナー ジャパン) 入社後はPC産業/市場関連動向や個人、企業内個人のIT需要調査分析を担当。現在は企業向けアプリケーションソフトウエア分野で、電子メール、グループウエア、SNSなどのコラボレーション領域や、サーチエンジン活用、インターネット活用による新たなワークスタイルの変革など、情報活用領域全般をウォッチしている。著書に『[入門]ユビキタス・コンピューティング』(NHK出版、2004年) がある。

志賀:「エンゲージメント」の強化だ。エンゲージメントとは、人と人が緩やかに、しかし確実につながり、目的に向けて協働できる状態を意味する。エンゲージメントの強化は、新しい付加価値と位置づけられる。つまり、ワークスタイルの革新に取り組み、それを押し進めた企業は、効率性や生産性の向上だけにとどまらない新しい価値を獲得できる。

 社員同士のエンゲージメントが強化されると、まず社内が「見える化」される。これは「今自分たちのプロジェクトで知るべきこのことは、あの部署の人に尋ねれば明らかになるはずだ」とか、「あの部署のこの人と組めば新しい企画が実現できるかもしれない」といった、人とそれにひも付いた知識やスキルの所在が分かるようになる。こうした関係性を明確にしたものをソーシャルグラフやナレッジグラフと呼ぶ。

 その結果、「組織のスピード」が上がる。知識の所在を形式化するプロセスが不要になるからだ。多くの組織はこのプロセスに時間を費やさざるを得ない状態にある。このプロセスが不要になると、意志決定の速度が向上する。意思決定の速度が上がれば、行動のスピードも上がる。これが組織のスピードが上がる意味だ。

ソーシャルで組織の透明化が進む

 経営判断の正確性も高まる。ソーシャルグラフやナレッジグラフによって、社内のソーシャル化が進むからだ。

 ソーシャル化の本質は「情報はいずれ公開される」というものである。例えば、声の大きい役員が自らの提案を社内で押し通したとする。それにより社内が混乱したとしても、これまでの組織であれば、その経緯が分からないまま終わる。

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