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習近平はリスクを取った、次は日本企業が踏み出す番

キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之氏に聞く

2014年11月19日(水)

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11月10日に日中首脳会談が、同11~12日には米中首脳会談が開かれた。同じ期間に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で中国は“中国経済圏”とも呼べる影響圏を構築するための仕組みをいくつも明らかにしている。中国が日米首脳と行なった会談にはどのような意味があるのか。日中関係は改善できるのか、米中関係は今後どの方向に進むのか。長年、中国をウォッチしている、キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之・研究主幹に聞いた。(聞き手は森 永輔)

中国・北京で11月10日、注目されていた日中首脳会談が開かれました。安倍晋三首相と習近平国家主席の初の会談です。この会談のどこに注目し、どう評価していますか。

瀬口:日本政府が2012年9月に尖閣諸島を国有化して以来、日中関係は厳しい状況を続けてきました。今回、首脳会談が実現したのは非常に重要なことです。25分という短い会談でしたが、会っただけで価値があると評価しています。

 しかも、中国が首脳会談を開くために主張していた2つの条件を満たしていないにもかかわらずです。条件の第1は、尖閣諸島について領有権の争いがあることを認めること。第2は、安倍首相が靖国神社を参拝しないことを約束することでした。今年の4月頃までは、中国の政府関係者に尋ねると、「この2つの条件を満たさなければ会談はできない」とみな金太郎飴のように言っていましたが、その後空気が変わりました。

習近平が日中首脳会談を決めた理由

中国はなぜ首脳会談を開く気になったのでしょう。

瀬口 清之(せぐち・きよゆき)氏
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹
1982年、東京大学経済学部を卒業し、日本銀行に入行。2004年、米国ランド研究所に派遣(International Visiting Fellow)。2006年に北京事務所長、2008年に国際局企画役。2009年からキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。2010年、アジアブリッジを設立し代表取締役。(撮影:大槻純一 以下同じ)

瀬口:大きく4つの理由があると思います。最大の理由は、中国がAPEC首脳会議のホスト国だったことです。ホスト国としてのメンツにかけて安倍首相と会う必要がありました。これが最も大きな理由だと思います。

 第2の理由は安倍政権が長期化し、国際社会における影響力を高める可能性があること。そうなった場合、日本と対立を続けていると、国際社会での中国の評価を貶める可能性があるからです。

 安倍政権はアベノミクスを進め、経済の復興を図っています。まだ道半ばではありますが、日本経済は息吹を取り戻しつつあります。安全保障政策でもやるべきことを進めてきました。集団的自衛権の行使を容認するよう憲法解釈の変更を決めました。日米ガイドラインの改定にも着手しています。

 第3は経済的な事情です。首脳会談をすることで政治リスクが低下していることを日本企業に示し、投資を促すとともに撤退しないよう引き留めることができます。中国の統計を見ると、日本企業の対中投資が激減しています。2014年1~6月は前年同期比48.8%減 。7~9月は、公式の発表はありませんが、20%程度減っています。日本企業の中には中国市場での販売が好調で、増産のために新たな工場を建設してもおかしくないところがかなりあります。しかし、本社が中国市場の実情を理解していないため、必要以上に慎重になり、投資を決断できていないのです。

なぜ多くの日本人が中国経済を理解できないのか、リーマンショックの前後で中国に何が起きたのか、中国の高度経済成長はいつ終わるのか、習近平政権は本当に中国の社会矛盾を解決できるのか――。

日本銀行の北京事務所長を務めた著者が反中・嫌中バイアスを排した現実的な目線で分析した一冊。中国に精通した著者による楽観でも悲観でもない現実的な中国分析をぜひお読みください。

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「習近平はリスクを取った、次は日本企業が踏み出す番」の著者

森 永輔

森 永輔(もり・えいすけ)

日経ビジネス副編集長

早稲田大学を卒業し、日経BP社に入社。コンピュータ雑誌で記者を務める。2008年から米国に留学し安全保障を学ぶ。国際政策の修士。帰国後、日経ビジネス副編集長。外交と安全保障の分野をカバー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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