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FCV向け水素燃料を赤字出血サービス

お鍋の友イワタニが仕掛ける水素社会の幕開け

2014年11月20日(木)

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 トヨタ自動車が12月15日から世界に先駆けて日本で量産型のFCV(燃料電池車)を発売する。そのタイミングを捉え、様々な企業が水素関連の取り組みを発表している。中でも意欲的なのは工業用ガス大手の岩谷産業だ。自社の水素ステーションで水素1kg当たり1100円(税別)で売り出す。この水準ならば、同等車格のHV(ハイブリッド)車と同じ費用でFCVを走らせることができるという。これは政府の目標より5年前倒しするもので、意欲的な価格設定と言える。

 岩谷と言えば、鍋物に欠かせないカートリッジ式のカセットボンベを思い浮かべる人も多いに違いない。そんなお鍋の友「イワタニ」が水素事業に注力する理由を同社副社長、上羽尚登氏に聞いた。(聞き手は坂田亮太郎)

まず、水素価格を設定した経緯を教えてください。

 今年6月に経済産業省が公表した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」には、水素燃料の価格について「2015年の燃料電池車の市場投入当初からガソリン車と同等以下、2020年頃には同サイズのHV(ハイブリッド)車の燃料代と同等以下になることを目指す」と明記されています。

岩谷産業で水素事業を統括する上羽尚登副社長

 FCVの普及を促進するためには、発売当初の2015年からHV車と同等の負担にして欲しいという市場からの要望を我々は強く感じてきました。岩谷として熟慮した結果、政府目標よりも5年前倒しして、2015年からHV車並みの負担で水素燃料を提供することを決断しました。

 具体的には、岩谷が運営する水素ステーションで水素1kg当たり、税別で1100円で販売します。この価格が意味するのは、FCVが走行するために必要な燃料の水素代と同車格のHV車を同じ距離走らせるのに必要なガソリン代が同じということです。

 トヨタ自動車が近く発売するFCVの燃費はまだ公表されていませんが、これまでFCCJ(燃料電池実用化推進協議会)などでHV車の燃料代と同等となるための水素価格はどの程度にすれば良いかということを議論してきました。そこでは、気体の体積を示すNm3(ノルマル立方メートル)当たり100円前後という数字が示されてきました。水素ステーションでは水素を重量単位で販売することが決まっていますので、重量に換算しますと、水素1kg当たりの金額は1100円となります。

補助金には頼りすぎない

今回、政府目標よりも5年前倒しして、非常に戦略的な価格に設定しました。

 正直に申し上げて、お客様が来るか来ないか分からない状況で割高な水素ガスを用意して待っているわけですから、相当思い切った判断だと言えるでしょう。ただ、FCVが普及していくことが水素社会の幕開けに非常に重要だと我々は認識しています。岩谷はこれまでも工業用ガスを販売してきましたが、需要家さんに買って頂ける価格にしないと使って貰えないということを学んできました。そのため当初は赤字覚悟でも価格を引き下げるという企業判断を下しました。

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「FCV向け水素燃料を赤字出血サービス」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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