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地熱発電と温泉は共生できるか

再生エネ普及へ日本のジレンマ

2014年12月3日(水)

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 太陽光発電を中心にした再生可能エネルギーを送電網へつなぎ込むための接続契約申し込みに対して、九州電力が回答の保留を決めた「九電ショック」。太陽光発電は日照量により発電量が変動し、それが最大になった場合には管内の消費量を上回り、大規模停電の引き金を引きかねないと九電は説明している。そこで、再生エネの中でも、安定した発電ができる地熱発電への注目が集まった。だが、なかなか思うようには普及しないという。その理由について、電力中央研究所の窪田ひろみ主任研究員に聞いた。

(聞き手は宮澤 徹)

窪田 ひろみ(くぼた・ひろみ)氏
1997年 電力中央研究所入所。生物科学部、エネルギー・環境政策領域を経て現職。2012年 横浜国立大学大学院環境情報学府環境イノベーションマネジメント専攻修了、博士(環境学)。地熱発電、二酸化炭素回収・貯留(CCS)技術、化学物質の環境・健康リスクを研究対象とし、リスクコミュニケーションを通じた利害関係者間の相互理解の向上、事業者の環境リスク評価・管理改善に資する研究に従事。

再生可能エネルギーの中で安定した発電が可能といわれる地熱ですが、日本ではどのような状況ですか。

窪田:FIT(固定価格買い取り制度)が始まってから、太陽光発電の申請が爆発的に増え、今はほとんどが太陽光と、風力で占められています。地熱はまだ非常に僅かですが、既存温泉を活用した中小規模(数十kWから数千kW)の地熱発電が近年増えつつある状況です。

 日本の地熱資源量は米国、インドネシアに続く世界3位と報告されています。これだけたくさんの温泉もありますから。しかし、地熱発電の設備容量では8位にとどまります。潜在能力を充分使いきれていないことがわかります。

 国内の電源構成に占める地熱の割合は0.3%ぐらいです。日本全体のエネルギー利用に貢献するレベルとなれば、出力が3万から5万kwといった大規模の設備を建設していくことが望まれます。

なかなか普及しないのはどうしてなのでしょうか。

窪田:近年、国の補助金など経済的支援の充実や、自然公園内での開発について規制緩和がなされました。FITについては、国は地熱や水力を優先させるということで制度の見直しをしています。日本では、地熱発電が可能な場所の多くは国立公園や国定公園内にあります。道路や送電線が通ってないとか、事業コストが見合わないとか、自然公園法、森林法といった法規制の制約などいろいろな事情があり、資源はあっても開発が難しい地域が多いです。

 冷却に使う大量の水を、川や井戸から取ってくることになれば、場所によっては水利権が生じるため、河川法などにも留意する必要があります。

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「地熱発電と温泉は共生できるか」の著者

宮澤 徹

宮澤 徹(みやざわ・とおる)

日経ビジネス副編集長

日本経済新聞社産業部、中国総局、重慶支局長、2012年秋日経ビジネス副編集長。製造業とアジア担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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