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災害復旧や地方再生を妨げる、日本の登記制度

所有権の壁は厚いが、放置すれば弱者にしわ寄せ

2014年12月5日(金)

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東日本大震災きょう3年半 住宅再建なお進まず
岩手・宮城 1割どまり
2014年9月11日 日本経済新聞

東日本大震災から11日で3年半。インフラの復旧や民間の被災施設の再開に比べて住宅再建が遅れている。岩手、宮城両県の沿岸26市町村で建設される災害公営住宅は7月末時点で計画戸数の10%にとどまる。民間の力を借りて建設を加速しており、日本経済新聞の調査では2014年度末までに3割が完成する見通しだ。被災地の生活と産業基盤の復興加速へ知恵を絞る時期に来ている。


約8万9千人は仮設住宅の暮らしが続く(9日、仙台市太白区)

 岩手、宮城両県は沿岸部に住む被災者向けに合計2万1000戸あまりの公営住宅を用意する計画。7月末時点の完成戸数は2194戸と計画数の10%にとどまるが、建設中の住宅が続々と建設を終え、14年度末には6708戸と32%が完成する見通しだ。福島県は全体計画が作れていない。

*      *      *

 被災地の状況について、日本経済新聞が上記のように報じました。あらためて読むと大変ショッキングです。その原因が日本の土地登記制度にある、と、何度かNBOでも報じていたのですが、これは被災者の方々に相当にお恥ずかしい話なのではないでしょうか。

 今回は、日本の登記制度のどこに問題があるのか、それがどうして弱者を虐げることになるのか、私でも理解できるように本当に根っこから教えていただこうと思います。この問題を6年にわたって研究してきた東京財団研究員の吉原祥子さんに、お聞きしてきました。

(聞き手は山中浩之)

被災者の方の住宅を建てられないのは、要するに、「代替地の土地の登記がいいかげんで、誰が持ち主か分からないから、その土地を使えない」ということですよね。

吉原 祥子(よしはら・しょうこ)
東京財団研究員兼政策プロデューサー

東京外国語大学(タイ語科)卒業。在学中、タイ国立シーナカリンウィロート大学へ国費留学。米レズリー大学大学院(文化間関係論)、米Institute of International Educationバンコク支部を経て、東京財団勤務。

吉原:ええ、そういうことですね。権利の登記は任意なので、たとえば所有者が亡くなられて、相続の際に親族が名義変更をせず、そのまま誰も手を付けないということが普通にあります。するとどうなるか。

不動産登記簿が放置されればされるほど、法定相続人はねずみ算式に増えていくわけですよね。

吉原:その結果、こういうことになります。昨年、ある県で実際にあった事例です。道路用地として192平方メートルの土地を取得するために、事業担当者は法定相続人約150名を特定し、この相続関係図を完成させました。

土地を使うために、これだけの人を探して実印をもらわねばならない
(出典:東京財団『国土の不明化・死蔵化の危機~失われる国土III』2014年)

コメント12件コメント/レビュー

記事中では「中国みたいに~」という表現で躊躇されているようですが、ここの大多数のコメントを見れば、行政にある程度の強権を与えてもよいという国民的合意を得ることは可能だと考えます。今回の議論の切り口は大規模自然災害とその復旧という観点から始まっていますが、後半の方で出てくる少子高齢化人口減少社会到来への対応策としての重要性の方がむしろ大きいのではないでしょうか。私は縮小に向かう日本への最大の処方箋のひとつは土地政策にあると常々考えています。本記事のような登記制度のみならず農地に代表される土地の利用や取引に関する規制の緩和も併せて行い国土の効率的な利用による生産性の向上と行政費用の削減を図るべきです。(2014/12/09)

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「災害復旧や地方再生を妨げる、日本の登記制度」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事中では「中国みたいに~」という表現で躊躇されているようですが、ここの大多数のコメントを見れば、行政にある程度の強権を与えてもよいという国民的合意を得ることは可能だと考えます。今回の議論の切り口は大規模自然災害とその復旧という観点から始まっていますが、後半の方で出てくる少子高齢化人口減少社会到来への対応策としての重要性の方がむしろ大きいのではないでしょうか。私は縮小に向かう日本への最大の処方箋のひとつは土地政策にあると常々考えています。本記事のような登記制度のみならず農地に代表される土地の利用や取引に関する規制の緩和も併せて行い国土の効率的な利用による生産性の向上と行政費用の削減を図るべきです。(2014/12/09)

災害時などに登記移転されていない土地の強制収用の特例は必要と感じる。但し用途のない土地までを公的管理となると、税金で無駄な管理費を生じる事になる。公有地は民有地よりも周辺住民からの除草などの管理要求が高く、管理責任を全うするのが財政上困難と思う。(2014/12/08)

用地買収の立場でも、課税の立場でも土地制度・相続制度・登記制度を見てきたが、利用という観点に立った場合、かなり制度に限界が来ている感じがします。特に相続。相続人がいないケースも多々あり(直系で下りればいいが、兄弟姉妹への代襲相続などとなってくると、仕事とはいえ本当に戸籍調査だけで心が折れそうになります)、問題を複雑化させています。また、課税上も名義をかえないほうが免税なんてこともありますし。暴論なんですが、いったん国有化して、固定資産税ではなく使用料を国に払うなんてことをすればだいぶ変わってくるだろうと思うのですが、財産権は憲法上の権利なので。。。おやさん(2014/12/08)

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