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欧州の「日本化」、2015年が正念場

田中理・第一生命経済研究所主席エコノミストに聞く

2014年12月4日(木)

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「世界経済の最大のリスク」と言われる欧州が再び動揺している。ドイツの景気が振るわず、ユーロ圏の物価上昇率はじわじわと低下する。田中理・第一生命経済研究所主席エコノミストは欧州経済が「日本化」の瀬戸際にあると指摘する。

(聞き手は渡辺 康仁)

欧州危機はいったん小康状態になったように見えましたが、依然として世界経済の「最大のリスク」であることに変わりません。何が問題なのでしょうか。

田中 理(たなか・おさむ)
第一生命経済研究所主席エコノミスト。慶応義塾大学卒。青山学院大学修士(経済学)、バージニア大学修士(経済学・統計学)。日本総合研究所、日本経済研究センター、モルガン・スタンレー・ディーン・ウィッター証券(現モルガン・スタンレーMUFG証券)にて日米欧経済を担当。2009年11月より現職。主に欧州経済を担当。(撮影:清水盟貴、以下同)

田中:2012年の欧州危機を克服する中で様々な対応策が打たれました。構造改革は避けて通れなかったと思いますが、その結果起こったことは、賃金の抑制や財政の引き締めです。欧州経済がなかなか浮揚しない要因は、そうした構造調整の圧力にあります。

 さらに、危機が沈静化したことで予期せぬユーロ高が起こりました。ユーロ圏全体で見ると、経常収支はほぼバランスしていましたが、景気の落ち込みとともに輸入が減り、経常収支が大きく黒字化したのです。それにつれてユーロが買われ、欧州経済にとっては足かせになりました。

 ウクライナ問題が長引いたことで、企業の投資マインドも委縮し、先行きの不透明感が一層高まっています。

欧州では物価もなかなか上昇しません。

田中:低インフレが続く中で景気低迷が長期化し、それ自体がリスクになっています。日本も、デフレに入るまでの間は物価上昇率が低位にとどまるディスインフレの期間があり、そこに消費税率の引き上げや金融危機などのショックが加わりました。

 ディスインフレの期間が長期化すると、人々の間に物価はあまり上がらないのではないかというマインドが広がっていく恐れがあります。ユーロ圏は日本と違ってデフレに陥らないと言われた一つの要因が、この期待インフレ率が安定していることでした。一時的に物価がマイナス圏に陥ることがあっても、中期的には戻ってくるという見方です。

 ところが、今年の8月くらいから、市場のスワップ金利の中に織り込まれている期待インフレ率は急速に低下しています。デフレのリスクは高まっており、危うい状況になりつつあります。

 このまま放置するとデフレマインドが定着しかねないということで、ECB(欧州中央銀行)は今年6月と9月に異例と言っていいほどの政策対応に踏み切りました。6月には主要中央銀行としては初となるマイナスの預金金利を導入しましたが、それでも景気や物価が浮揚するには至りませんでした。そして9月には大規模な資金供給を始め、資産担保証券(ABS)などの買い入れを決めました。しかし、目立った効果はまだ表れず、ECB内部では追加の対応策が検討されているところです。

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「欧州の「日本化」、2015年が正念場」の著者

渡辺 康仁

渡辺 康仁(わたなべ・やすひと)

日経ビジネス副編集長

1994年日本経済新聞社に入社。2002年から2004年まで日経ビジネス記者。日経新聞に戻り、編集局経済部などを経て2013年から日経ビジネス副編集長。アベノミクスの行方に関心を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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