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2015年は「交差点」の年になる

慶應義塾大学総合政策学部教授 竹中平蔵氏に聞く(前編)

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2015年1月8日(木)

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 先の衆議院選挙で勝利した安倍晋三首相が争点に掲げた「アベノミクス」。その真価が問われる2015年、日本と日本企業の課題は何か。慶應義塾大学教授で経済学者の竹中平蔵氏は、今年が分かれ目の年になるとした上で、「全体」から「全員」を良くするために消費税再増税までに放つべき矢があると指摘する。

いよいよ2015年が明けました。安倍首相は「アベノミクスを力強く前に進めて行く」ことを表明していますが、竹中さんはこれをどうご覧になりますか。

竹中:アベノミクスがやろうとしていることは120%正しい。私は従来からそう申し上げてきました。その意見に変わりはありません。問題はそれをどこまで実行できるか、だと思っています。

財政再建への道筋をつけ、成長戦略を強化せよ

竹中平蔵(たけなか・へいぞう)氏 1951年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業、日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)に入行。89年、米ハーバード大学客員准教授。2001~06年にかけて経済財政政策担当相、金融担当相、郵政民営化担当相、総務相を歴任。06年から現職。同大学グローバルセキュリティ研究所所長も務める。
(写真・菊池一郎、以下同)

 2015年というのは、私たちがまさしく交差点のようなところに置かれる年になる。ここから加速して高速道路に乗ることができるのか、それとも砂利道の一般道を走って、下手をするとそのまま行き止まりに突き当たってしまうのか、大きな分かれ目です。

 3本の矢の中で金融緩和は成功しましたが、財政再建への道筋を作ることと成長戦略を強化するという課題は残されたままです。総理は先の選挙で、これらを実行するための“ポリティカルキャピタル(政治的資本)”を得たのですから、その信任があるうちに素早く体制を整える必要があります。

アベノミクスに関しては今のところ、大企業ばかりが恩恵を受けているとの批判もあります。円安に伴う原材料費の高騰に悲鳴を上げている中小企業もあります。

竹中:為替相場に関して言うと、現在の水準そのものはそれほどおかしなことだとは思いません。リーマン・ショック前はだいたい1ドル117円から120円くらいで推移していました。購買力平価ではかると、1ドル128円くらいになる。そこまで行くとやや行き過ぎだとは思いますが、1ドル120円近辺で推移するのはむしろ適切です。

 アベノミクスによって物価が上昇に転じ、マイナス成長からプラス成長になった。このことは評価されてしかるべきでしょう。ただし、GDP(国内総生産)は全体を示す指標です。それが増えたからと言って全員の暮らしぶりが良くなるわけではない。その意味において批判はある程度正しい、と言えます。

 半面、全体が良くならない限り全員が良くなることもあり得ない。したがって、アベノミクスの問題点はそれによって経済成長したことではなく、全員を良くするための政策がいまだ十分に明示されていないことの方にあります。昨年末の総選挙で、野党は本来、この点を突くべきでした。

 選挙に勝利したことで、総理は消費再増税を1年半先延ばしする猶予を得た。その間に打つべき手を講じておかなくてはなりません。

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