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「金融政策の限界=アベノミクスの限界」の不幸 

熊野英生・第一生命経済研究所首席エコノミストに聞く

2015年1月8日(木)

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アベノミクスの先導役だった金融政策が原油安によって矛盾を露呈しつつある。熊野英生・第一生命経済研究所首席エコノミストは、成長戦略などで成果を示せないと、金融緩和の限界とともにアベノミクスも限界を迎える恐れがあると指摘する。

(聞き手は渡辺 康仁)

アベノミクスは3年目に入りました。昨年末の衆院選での勝利を受けて、安倍政権として優先的に取り組むべき課題は何でしょうか。

熊野 英生(くまの・ひでお)
第一生命経済研究所首席エコノミスト。1967年山口県生まれ。1990年横浜国立大学経済学部卒業、日本銀行に入行。調査統計局、情報サービス局を経て、2000年7月退職。2000年8月に第一生命経済研究所へ入社。2011年4月より現職。(撮影:清水盟貴、以下同)

熊野:与党で衆院の3分の2を占める政治的安定基盤を何に使うかが問われます。優先すべき課題は社会保障改革です。団塊世代が75歳以上になる2025年に向けて社会保障費の膨張は避けられません。10%への消費増税を2017年4月に延期したのですから、社会保障の支出の改革は前倒しすべきです。

 「社会保障と税の一体改革」を理由に、消費増税と社会保障改革を一体で先送りするのはおかしな話です。特に高齢化に伴って激増する医療費への切り込みが不可欠です。摩擦は非常に大きいでしょうが、高齢者が急激に増えてからでは遅すぎます。支出の改革が実を結ぶまでには時間がかかりますから、今年から手を付けなければなりません。消費増税とともに、あらゆる改革が先送りされるリスクについて、エコノミストとして強い警戒感を持っています。

消費税を引き上げる2017年4月まで猶予期間ができてしまったような雰囲気もあります。

熊野:財政再建について言えば、2020年にピンポイントで基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)を黒字にすればいいという話ではありません。それまで赤字が放置されるのは決して望ましくはありません。歳出改革のスピードは絶対に落としてはならないのです。

 政府は夏までに財政再建の計画を作る予定ですが、消費増税を先送りしたからPBの赤字が膨らんだということはあってはならない。歳出削減の青写真をしっかりと描くべきです。

 しかし、政府が昨年末に決めた経済対策を見ると、どうしても懸念が拭えません。地方自治体向けの交付金などはバラマキに陥る恐れがあります。このような支出を繰り返すときりがないですね。

日銀の金融政策も今年は「2年で2%の物価上昇」に答えを出さなければなりません。

熊野:日銀は昨年10月31日に追加の金融緩和に踏み切りましたが、もはや追加緩和の目的がよく分からなくなっています。原油安によって期待インフレ率が低下するのは好ましくないという見方を示す一方で、原油価格の下落は経済にはプラスだとも言う。どちらを向いているのか理解しにくいですね。

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「「金融政策の限界=アベノミクスの限界」の不幸 」の著者

渡辺 康仁

渡辺 康仁(わたなべ・やすひと)

日経ビジネス副編集長

1994年日本経済新聞社に入社。2002年から2004年まで日経ビジネス記者。日経新聞に戻り、編集局経済部などを経て2013年から日経ビジネス副編集長。アベノミクスの行方に関心を持つ。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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