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知財を守れない会社は生き残れない

これからは知財で稼ぐ時代、日本は無防備すぎる

2015年1月14日(水)

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 日本はかつて“ものづくり”で大きな成功を収めてきた。今も自動車産業など競争力を維持している分野もあるが、スマートフォンなどをはじめとしたIT、エレクトロニクス産業では競争力を大きく落としている。今、この分野で競争力を持ち、革新的な技術、サービスを提供しているのは、アップル、グーグル、フェイスブック、アマゾンといった企業だ。

 彼らはものづくりで稼いでいるわけではなく、アイデア、知識、情報、ソフトウエアなどの“知財”で稼いでいる。スマートフォンの王者アップルも、iPhoneの製造を自ら手掛けず中国に委託しているのは有名な話だ。

 「日本企業は知財の重要性について理解がない。これからはアイデアなどの知財をお金に換えて稼ぐと同時に、世界の競合から知財を守ることが極めて大切」――。自ら開発したデータ復元技術を使って、法律分野でITサービスを提供するAOSテクノロジーズの佐々木 隆仁社長はこう語る。佐々木社長は、「法律分野でのIT技術(Legal Technologies:リーガルテクノロジー)の重要性を理解し、これを駆使して自分たちの知財を守れない会社は生き残れない時代なった」と警鐘を鳴らす。

 今回は、佐々木社長に、リーガルテクノロジーの重要性と、知財をめぐる訴訟の現場が今どうなっているかについて話を聞いた。

(聞き手は小野口 哲)

まず、リーガルテクノロジーについて教えていただけますか。

佐々木:リーガルテクノロジー(以下リーガルテック)は、法律分野で使われるIT技術のことです。例えば、訴訟になったとき、証拠が必要になりますよね。今、証拠はほとんど紙ではなくてデジタルデータになっていますので、大量のデータの中から必要とされる証拠を見つけ出して、それを出していくことになります。これが、リーガルテックの中の、電子データの証拠開示(eディスカバリー)といいます。

佐々木 隆仁(ささき・たかまさ)氏
AOSテクノロジーズ社長。1989年早稲田大学理工学部卒業後、大手コンピューターメーカーに入社。OSの開発に従事した後、1995年に独立しAOSテクノロジーズを立ち上げる。2000年にデータ復旧ソフトを発売、翌年にデータ復旧サービスを開始する。2012年には、デジタルフォレンジックやeディスカバリーなどのリーガルテクノロジーを中心とした事業を展開する子会社、AOSリーガルテックを設立。著書に『デジタルデータは消えない』(幻冬舎)など。

 また、何か不正が行われたときには、不正の痕跡を調べなければいけません。不正にかかわったケースでは、データが削除されていることが多いので、削除されているデータを復元します。そして証拠として出していきます。これもリーガルテックです。

 リーガルテックは、専門的で高度な知識であるのと同時に、普段使わない技術なので、IT企業であってもそういう技術を持っていないところがほとんどです。

 例えば、携帯電話を作っているメーカーや、パソコンを作っているメーカーでも、消されたデータを復元して提出できる技術は実は持っていないのです。専門的なリーガルテックにかかわる企業だけが持っている技術です。日本にはリーガルテックを保有している企業がほとんどありません。

 アメリカはご存じのように訴訟社会なので、法律の分野がすごく進んでいます。先ほども少し触れましたが、法律分野とIT分野が組み合わさってできた言葉がリーガルテックです。日本ではリーガルテックという言葉自体がまだ浸透していませんが、アメリカでは法律にかかわる人ならみんなが知っています。日本はアメリカに比べてこの分野で20年以上遅れています。

コメント1件コメント/レビュー

確かにノスタルジーに起因する”ものづくりの復権”も単純には喜べないが、そうかと言ってこの”リーガルテック重視論”もまた、それだけではなくさまざまな対応策のひとつだろうと感ずる。そもそも中国のような国では米国流のリーガル論は通用しない。むしろ必要なことは、コピーされない、あるいは、コピーしたら相手国から致命的な制裁を課されてしまうという状態を作り出し維持する必要がある。つまり、もっと包括的に国家戦略として考えるべき大きな問題であると思う。(2015/01/14)

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「知財を守れない会社は生き残れない」の著者

小野口 哲

小野口 哲(おのぐち・あきら)

日経ビジネスアソシエ副編集長

日経バイト、日経モバイル、日経パソコン、日経コンピュータ、日経PC21、日経ビジネスなど日経BP社の雑誌を渡り歩き、2015年4月から現職。趣味・生きがいは“食べること”。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

確かにノスタルジーに起因する”ものづくりの復権”も単純には喜べないが、そうかと言ってこの”リーガルテック重視論”もまた、それだけではなくさまざまな対応策のひとつだろうと感ずる。そもそも中国のような国では米国流のリーガル論は通用しない。むしろ必要なことは、コピーされない、あるいは、コピーしたら相手国から致命的な制裁を課されてしまうという状態を作り出し維持する必要がある。つまり、もっと包括的に国家戦略として考えるべき大きな問題であると思う。(2015/01/14)

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