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私には非情さが足りなかった

ドトールコーヒー名誉会長 鳥羽博道氏に聞く(後編)

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2015年1月15日(木)

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 残る人生を「もう一度、世界一のコーヒーを作ることに懸ける」と語るドトールコーヒーの創業者、鳥羽博道氏は24歳でコーヒー豆の焙煎加工卸会社を立ち上げ、日本で初めてスタンド式のコーヒー店「ドトールコーヒーショップ」をチェーン展開した。その原動力となったのは、「1杯のおいしいコーヒーを通じて人々にやすらぎと活力を与えたい」という使命感だ。

鳥羽博道(とりば・ひろみち)氏
 1937年生まれ。埼玉県深谷市出身。深谷商業高等学校中退。58年単身ブラジルへ渡航(当時20歳)。コーヒー農園などで3年間働いた後、帰国。コーヒー会社勤務を経て、24歳で独立。有限会社ドトールコーヒー(現株式会社ドトールコーヒー)を設立。コーヒー豆の焙煎加工卸業から始め、72年に珈琲専門店「カフェ コロラド」、80年にはセルフサービスコーヒーショップ「ドトールコーヒーショップ」を展開開始。その後もスパゲティハウス「オリーブの木」、「カフェ マウカメドウズ」、エスプレッソカフェ「エクセルシオール カフェ」と新業態を開発した。2005年7月、代表取締役会長。現在は名誉会長。(写真・菊池一郎、以下同)

鳥羽さんの著書『ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記』にもありますが、16歳で家を飛び出し、当時働いていた喫茶店オーナーの誘いで19歳の時にブラジルへ渡りますね。

鳥羽:当時のブラジルと言えば、行ったら二度と帰ってこられないかもしれないというくらいの場所です。ところがその喫茶店オーナーはうちの父親に、「お宅の息子さんを将来、ブラジルに送りたい」と言ったのです。すると、父親はなんと「よろしく頼みます」と、一言です。


掲げたポリシーの大きさが事業の限界点になる

 私が高校生のときに、行き違いから日本刀を持って私を家から追い出したのは父親だったのですが、父親としてはつらかっただろうと思います。これはつい、2、3年前に知ったことですが、「あれは博道のためにやったことだ」と言って泣いたそうです。父親が亡くなった後、いとこからそう聞きました。

 「このまま家にいて高校を出たところでたいした人間にはなれない」と思ったのでしょう。よく、獅子が我が子を千尋の谷に落とすと言いますが、そんな心境だったのだと思います。あれがなければ今の自分はなかったと考えると、その非情さというのは大事なんだと思いますね。

ブラジルの農園で働く鳥羽青年

帰国し、1962年に24歳でコーヒー豆の焙煎加工卸会社として「ドトールコーヒー」を立ち上げられます。それから現在に至るまでは山あり谷ありだったと思いますが、成功した一番の秘訣は何だったと思われますか。

鳥羽:やはり、最初の段階で「この世に喫茶業が存在する意義は何だろうか」ということを真剣に考えて、「一杯のおいしいコーヒーを通じて人々にやすらぎと活力を与えるのが喫茶業の使命である」という結論に達したことでしょうね。言葉だけではなく、腹の底からそういう使命感を持ちました。

 事業を牽引するエネルギーは人それぞれだと思います。私の場合、先に申しました東京・銀座の高級店に相手にされなかった屈辱を跳ね返したいという思いと、人のためになりたいという使命感。この2つが大きかった。

 これはもともと画家だった父親の影響かもしれませんが、お金儲けに対するエネルギーは湧いたことがないんです。損得が先ではない、いつも何が正しいかを優先する。社員にもそれを徹底させてきました。

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