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「女性活躍」は、まやかし~産めよ働けよの圧力

特別鼎談:「女性活躍社会」のウソとホント(上)

2015年1月16日(金)

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 にわかに盛り上がる、女性活躍推進の波。フェミニズムの専門家によると、この動きは「まやかし」だという。1970年に始まったリブの運動から40年強、「女性の働き方」が関心を集めるいま、改めてフェミニズムの先輩たちから、まやかしを見極める視点を学びたい。

 フェミニズム論壇を率いる上野千鶴子さん、映画「何を怖れる~フェミニズムを生きた女たち」を公開する映画監督の松井久子さん、著書『女子のキャリア』が話題を呼んだ雇用ジャーナリスト海老原嗣生さん。3人の論客が「女性活躍社会」の課題を斬る。

 3回シリーズの1回目は、安倍政権の「女性活躍推進」、そして1986年施行の男女雇用機会均等法の問題点を明らかにする。

(司会・進行は野村浩子=ジャーナリスト・淑徳大学教授)

いまの安倍政権は、女性活躍推進を政策の大きな柱に掲げています。しかし、「女性活躍推進はまやかしだ」という意見も聞かれます。これはなぜでしょう。

上野 千鶴子(うえの・ちづこ)さん
東京大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。専門は女性学、ジェンダー研究。著書に『家父長制と資本制』(岩波書店)、『ナショナリズムとジェンダー』(青土社)、『おひとりさまの老後』(法研)、『女たちのサバイバル作戦』(文藝春秋)など多数(写真:古立康三)

上野:ここまで少子化が進んで労働市場が逼迫したら、「女が日本に残された最後の資源だ」、安倍政権がそう気づいたのは確かだと思います。欧米と違い、日本には移民労働力という資源がない。いま、女性というのは、寝た子をたたき起こしてでも使いたい資源、そうした認識まではきた。本気かといわれれば、そこまでは本気だと思う。

海老原:しかし麻生太郎財務相がまた、馬脚を現しましたね(注1)。(社会保障費の増大に触れて)「子供を産まない方が問題だ」という発言、どう思いました?

注1)2014年12月7日、麻生太郎財務相が演説会で、社会保障費の増大に触れて「高齢者が悪いようなイメージをつくっている人がいっぱいいるが、子供を産まないほうが問題だ」と発言。

上野:やっぱりすぐ本音が出るんですね。柳澤厚労相(当時)の「産む機械」発言と同じ(注2)。

注2)2007年1月、当時、厚生労働大臣だった柳沢伯夫氏が少子化対策に触れて「機械って言っちゃ申し訳ないけど」と前置きしながら「15-50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と言った発言。

松井久子(まつい・ひさこ)さん
映画監督。早稲田大学文学部演劇科を卒業。雑誌のフリーライターを経て、TV番組制作会社エッセン・コミュニケーションズを設立。TV番組の制作などを経て、映画のプロデュース、映画監督に転身。「ユキエ」(1998年)、「折り梅」(2001年)、「レオニー」(2010年)などを手掛ける。2015年1月17日から、最新作「何を怖れる~フェミニズムを生きた女たち」を公開

松井:女性活躍を進めるのは、あくまで少子化対策のため。私が一番問題だと思うのは、政治家と経営者の目的が一致していて、女性活躍が完全に成長戦略と労働人口の問題だけで語られているということ。そこに大きな違和感があって、すごく恐ろしいと感じている。それなのに、女性に光が当たっている、と女性までもが思っている。

海老原:つまり、女性を物として使うということしか考えてない。女の人の将来のために、女性活躍を進めているわけじゃない。

◆フェミニズム◆
女性の社会上・政治上・法律上の権利の拡張を主張する説。女性解放論。(広辞苑)。70年のリブ誕生から75年までをリブ、75年国際婦人年以降をフェミニズムと呼ぶ用語法がある。(中略)フェミニズムの用語は、戦前の『青鞜』グループがすでに使用している、歴史的でかつ国際的に流通している用語である。(『リブとフェミニズム』、岩波書店より)

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「「女性活躍」は、まやかし~産めよ働けよの圧力」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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