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【鈴木敏文】「変わらなければ、大事なものも守れない」

戦争が生んだ、「流通帝王」の信念

2015年1月14日(水)

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戦後70年となる今年、日経ビジネスオンラインでは特別企画として、戦後のリーダーたちが未来に託す「遺言」を連載していきます。この連載は、日経ビジネス本誌の特集「遺言 日本の未来へ」(2014年12月29日号)の連動企画です。

第4回は、コンビニエンスストアを日本に広め、国内最大級の流通大手セブン&アイ・ホールディングスを束ねる鈴木敏文氏。コンビニ業界の帝王は「変化対応」の重要性をぶれずに説き続けています。その胸中には、日本が戦争という犠牲を払って獲得した平和を、何が何でも守らなければならないという思いがありました。

コンビニの帝王
鈴木 敏文(すずき・としふみ)
 1973年にセブン‐イレブン・ジャパンを設立し、コンビニエンスストアという業態を日本に広めた。コンビニに銀行ATMを置くなど、その後も「世の常識」に反する施策を次々に断行。セブン&アイ・ホールディングス会長兼CEO(最高経営責任者)。景気動向などについて常に意見を求められる流通業界のご意見番。1932年12月生まれ。(写真:的野弘路、以下同)

 未来への遺言ですか。何かこういう取材というのは、普段と違うので何を話したらいいか戸惑いますね。事業のことだったら、毎日のように考えているから話すことも思い浮かぶけど。

 70年前の終戦の時、僕は中学1年でした。8月15日というのは忘れもしない。田舎の長野で、うちのちょっと離れた小さな裏山の横に防空壕を掘っていたんです。それがものすごく印象に残っている。そしたら重大ニュースがあるということで、両親はじめ家族でラジオの前に集まったんです。ものすごい雑音でね。言っていることが僕なんかは理解できなかった。親たちもそうだったと思う。

 何しろほら、負けるとは思ってなかったでしょう。ガーガー言っている中で所々分かった部分をまとめると、「戦争が厳しくなるから、もっと一生懸命やれ」ということじゃないかというぐらいにしか理解できなかった。でも夕方のニュースで負けたんだということが分かって、それでものすごくがっかりしたという記憶があります。

終戦後の変化が、考え方に大きく影響した

 戦争は勝つんだという教育をずっと受けてきたでしょう。周囲にいた同い年くらいの子は、みんなが将来は兵隊さんになって、陸士とか海兵を目指すと思っていた。それを全然疑っていなかった。中には「戦争に負けると思っていた」とか、かっこいいことを言う人もいるけど、周囲の話を聞くと我々の年代はやはり、ほとんどが私と同じような気持ちでいたんじゃないかな。でもそれが、一日で全部覆されてしまったわけね。やはりその終戦後の変化が、私の人生とかものの考え方に大きく影響したのだと思いますね。

 世の中は変わる。社会はどんどん変わる。だから政治でも個人の自覚の面でも、それに適応した形をとっていかなきゃいけないよね。でも、どう変わっていくかは、常に分からない。だから結局は、人がそれぞれ「自分」というものを大切にするというのが出発点だよね。他人に依存するんじゃなくてね。

 だけど、あまり平和の中にいると平和ぼけしちゃうんだよね。それで全部他人に依存する。今思えば我々だって中学とか高校とかのころは、いかに生きるべきかとか、そういう本を本屋に行ってあさって読んでいたよね。別にむずかしい思想史のような立派なものではなかったし、そのことで深く悩んでいたような感じでもなかったけど、僕らの時代はごく自然にね。今の若い人たちがどうしてるかは、ちょっと僕は分からないけど。

コメント7件コメント/レビュー

数年前にセブンイレブンとイトーヨーカドーの特集番組が二週連続であった。第一週目はセブンイレブンの生い立ちと戦略の話。内容は驚愕すべきもので、他社が真似しようしてできなかったコンビニの凄さが解った。第二週目はイトーヨーカドーの話。ヨーカドーは業務不振に喘いでいる。執った手立てが市場の規格外品の買い叩き。挙句の果てスーパーの建て直しで役員全員集まってコンビニ弁当喰い大会。結局子の人はコンビニ屋であって物流屋では無い。変わると言いながら一番変わっていないのは当の本人。30年前のイトーヨカドーの店舗と最近出来たばかりの店舗で内容が殆ど変わらないのは絶対におかしい。時代に取り残されている。(2015/01/17)

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「【鈴木敏文】「変わらなければ、大事なものも守れない」」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

数年前にセブンイレブンとイトーヨーカドーの特集番組が二週連続であった。第一週目はセブンイレブンの生い立ちと戦略の話。内容は驚愕すべきもので、他社が真似しようしてできなかったコンビニの凄さが解った。第二週目はイトーヨーカドーの話。ヨーカドーは業務不振に喘いでいる。執った手立てが市場の規格外品の買い叩き。挙句の果てスーパーの建て直しで役員全員集まってコンビニ弁当喰い大会。結局子の人はコンビニ屋であって物流屋では無い。変わると言いながら一番変わっていないのは当の本人。30年前のイトーヨカドーの店舗と最近出来たばかりの店舗で内容が殆ど変わらないのは絶対におかしい。時代に取り残されている。(2015/01/17)

この人はコンビニのドンとして優れた人だと思う。しかし、セブン・アンド・ホールディングスの長としてはどうかと思う。コンビニのやり方をイトーヨーカドーに押し付けているのでヨーカドーの業務は停滞しているし、他の百貨店も良い話を聞かない。「変わる」と言って実は何も変わっていないのでは、と思ってしまう。ダイエーを作った中内さんは結局ダイエーを潰してしまった。この人も何時までも今の椅子に居ると事業を潰すことになる。裸の王様になっていないか?(2015/01/14)

良い話だなぁ。「自制」という言葉は良い言葉ですね。肝に銘じておきます。(2015/01/14)

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