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頑張らない女が悪い!?~「限界ウーマン」の涙

特別鼎談:「女性活躍社会」のウソとホント(中)

2015年1月23日(金)

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 にわかに盛り上がる、女性活躍推進の波。フェミニズムの専門家によると、この動きは「まやかし」だという。1970年に始まったリブの運動から40年強、「女性の働き方」が関心を集めるいま、改めてフェミニズムの先輩たちから、まやかしを見極める視点を学びたい。

 フェミニズム論壇を率いる上野千鶴子さん、映画「何を怖れる~フェミニズムを生きた女たち」を公開する映画監督の松井久子さん、著書『女子のキャリア』が話題を呼んだ雇用ジャーナリスト海老原嗣生さん。3人の論客が「女性活躍社会」の課題を斬る。3回シリーズの2回目は、女性活躍推進の水面下で、何が起きているのかを探る。

(司会・進行は野村浩子=ジャーナリスト・淑徳大学教授)

(前回はこちら

海老原:安倍政権が女性活躍推進を掲げた結果どうなっているかというと、大企業は今、中途採用に非常に力を入れています。特に理系が社員の多数を占めるメーカー系は、女性の幹部候補が少ないですから。

上野:じゃあ、女性にとってはチャンスですか?

海老原 嗣生(えびはら・つぐお)さん
リクルートキャリア フェロー、株式会社ニッチモ代表
上智大学卒業後、大手メーカーを経てリクルート人材センター(現リクルートキャリア)に入社。新規事業企画等に携わった後、リクルートワークス研究所へ出向し、「WORKS」編集長に。2008年に株式会社ニッチモを立ち上げ、HRコンサルティングを行う他、リクルートキャリアのフェローとして、同社発行の雑誌『HRmics』の編集長を務める。専門は人材マネジメント、経営マネジメント論など。著書に『「若者はかわいそう」論のウソ』(扶桑社)、『女子のキャリア』(筑摩書房)など

海老原:とにかく女性登用という形を整えないといけないし、そうはいっても仕事ができない人は採ってはいけないしということで、同業界の中小企業の10年選手、15年選手の引き抜きが起きています。人材エージェントには、小さいところでもいいから同業の10年選手を推薦してくれという依頼が増えている。昨年あたりからの動きですね。

上野:社内でそういう人材育成をしてこなかったからですね。

海老原:とはいえ、総合職的な仕事をする女性社員は、2000年あたりから学歴逆転で少しずつ増えてきています。今係長比率は18%ぐらい。大企業でも確かにだんだん増えてきています。

 最近、ある大手電機メーカーで面白い事件がありました。大変忙しい会社で、エンジニアの多い職場だと、社内結婚が非常に多くなるんですよ。昔は社内結婚をすると、女の人は早く帰る、というのが暗黙の掟だった。女の人はこれ以上仕事をやらないでという雰囲気だったんですよ。

上野 千鶴子(うえの・ちづこ)さん
東京大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。専門は女性学、ジェンダー研究。著書に『家父長制と資本制』(岩波書店)、『ナショナリズムとジェンダー』(青土社)、『おひとりさまの老後』(法研)、『女たちのサバイバル作戦』(文藝春秋)など多数。

 それが今どうなっているかというと、女性社員の側の上司が怒り出したんですよ。夫側の上司に、何でダンナはフルで働いていて、俺のところ(妻の職場)ばっかりしわ寄せが来るんだと文句をつけたのです。それでルール決めがなされて、イクメンの父用の仕組みをどんどん整えなさいと会社全体で動き始めた。

上野:かつての慣行では、社内結婚では必ず片方が退職しました。それが共働きの社内カップルが増えたということですね。男にそれだけの給料を出せなくなったということでもありますね。

海老原:そういうことです。

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「頑張らない女が悪い!?~「限界ウーマン」の涙」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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