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高齢者に稼がせれば日本の問題は解決だ!?

GT-Rを開発し台湾企業に転じた、水野和敏氏に聞く

2015年1月16日(金)

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月曜日掲載の連載「走りながら考える」の取材後、余談の形で伺った水野和敏さんのお話が、極めて前向きで面白かったので、こちらで取り上げます。本コラム「キーパーソンに聞く」は、日経ビジネスの編集部員が気になるポイントをキーパーソンとタイマンで根掘り葉掘り聞く連載ですが、そういう経緯で、今回はフェルディナント・ヤマグチ氏との共同インタビューの形になりました。異論・反論が生まれるくらいのお話が聞けてこその「キーパーソンに聞く」。お楽しみいただければ幸いです。

(山中)

(「走りながら考える」の水野氏インタビューはこちらこちら

水野 和敏(みずの・かずとし)
1952年1月長野県生まれ。1972年国立長野工業高等専門学校卒業後、日産自動車入社。シャシー設計部配属。サニー、シルビア等を開発。1976年 4月から名古屋市日産サニー愛知に販売出向。日産復帰後、高級車向けターボエンジンなどの開発、ブルーバード、サニーFF化の新規プラットフォーム計画と開発、さらにP10(初代プリメーラ)、R32スカイライン等の新規車両パッケージの提案と開発に携わる。1989年12月よりNISMOに出向、R90CP~R92CP、NP35等のグループCレースでチーム監督兼開発責任者兼レーストラックチーフエンジニアとして活動。国内耐久メーカー選手権3年連続チャンピオン獲得、92年デイトナ24時間レース総合優勝獲得(92年は参戦全レース全勝)、90年ル・マン24時間レース5位入賞と日産自動車のレース活動に黄金期をもたらす。93年1月より日産に復帰、V35型スカイライン、Z33型フェアレディZ 、ステージア、FX35&45等の車両開発責任者(CVE)を歴任後、日産ゴーン社長の特命を受けR35GT-Rを世に送り出す。2013年3月末、日産自動車を退社。近著に『バカになれ! カリスマ・エンジニア「ゼロからの発想術」』。

水野和敏氏(以下水野):ところで、俺は今の日本に相当危機感を感じているよ。何で日本人がこんな能天気でいられるのか不思議でしょうがない。くどいようだけど、国債の格付けが台湾や韓国以下だよ。何でこれにみんな騒がないんだろう。

フェルディナント・ヤマグチ氏(以下F):「格付けの会社はどこ見ているの」という話じゃないんですか、あれは。格付け自体がまっとうだと思います?

水野:じゃあ、台湾や韓国が毎月、毎月だよ、1兆円貿易赤字を出している? 国債を国民所得に対してあんな額を発行している?(直近の2014年11月分速報値・季節調整値で9250億円の赤字)。

F:確かに。

水野:日本は「回復するだろう」って信用だけでここまで持ってきたんだよ。

F:どうなんだろう。インフレを起こして、ちゃらにする?

水野:無理でしょう。

F:「ものづくり」の国際競争力はまだ残っているんじゃないんですか。

水野:2011年ごろに英国やアメリカのメディアがやった市場調査では、電気製品でも、自動車でも、日本製品は韓国などの製品と同格と思われているという結果が出ている。アメリカの有名なコンシューマーレポート等でもヒュンダイと日本車の信頼性のイメージはほとんど差がない状況だし。日本製の商品の優位性は、日常感覚の中では無くなっていると思う。だけど日本人は「日本の製品は、韓国等ほかのアジア製品より優れている」と未だに思っているんだよね。でも考えてみれば、ベトナムやタイやインドネシアや中国で作って輸出しているんだから、それはそもそも「日本の製品」なんだろうかと。この状況下で、貿易収支が改善していく道筋が見えない。

F:輸出が伸びるか、国内市場が活気づくか、のどちらかしかないか。

国債に話を戻しますと、よく言われるのは、「外国人にどう思われようが、国債は国内消費しているんだから関係ない」と。だけどこれから高齢化が進んで、国債買い入れの原資になっていた彼らのお金が、生活のためにどんどん引き出されるようになったら、誰が国債を買い支えるのと。

水野:うん、ここでね、じゃあ、アメリカの景気、経済は本当は誰が支えているのか、という質問をしたい。実は高齢者なんだよ。

F:国内市場での、消費の主役ってことですね?

水野:そう。年取った人間が金を使うのよ。現地のジャーナリストから聞いた話なんだけど、消費の例を具体的に言えば、ここ何年も続いている、アリゾナやフロリダの人口の増加 新設されている町の増加、ブランドショップの新規出店、これらの最大の要因はリタイヤ層が、暖かい処に移住したことによって生まれた、お年寄り相手の商売なんだって。

F:アメリカでは高齢者がお金を使っているんですか。

水野:うん。ところが、日本人は年取ったら金を使わなくなる。

F:あんまり食わないし。

水野:いや(笑)そういうことじゃなくて、俺はいま言われている財政破綻回避、年金の財源とかの問題って、解決策は逆にあると思っているのね。

逆といいますと。

コメント37件コメント/レビュー

働く場所をしっかりつくることですね
例えば政府が求人に年齢制限や性別を限定するのは違法だという法律を作るとかも必要ですね。
定年もやめたらいい。
それと同時にやはり配偶者控除や年金3号はとっととやめるべきですね。
払っていないのに健康保険をもらえたり、年金をもらえたりする(それも元気な成人が)制度は不公平だしおかしいです。(2016/04/27 22:09)

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「高齢者に稼がせれば日本の問題は解決だ!?」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

働く場所をしっかりつくることですね
例えば政府が求人に年齢制限や性別を限定するのは違法だという法律を作るとかも必要ですね。
定年もやめたらいい。
それと同時にやはり配偶者控除や年金3号はとっととやめるべきですね。
払っていないのに健康保険をもらえたり、年金をもらえたりする(それも元気な成人が)制度は不公平だしおかしいです。(2016/04/27 22:09)

高齢者労働または戦力化には大賛成です。自分自身も定年後少々ながら働いており、定年前より金の使い方は鷹揚になったと自覚しています。外に出ればよく歩くことにもなり、健康寿命も延せるかと期待しているところです。(2016/01/19 10:55)

 素晴らしいアイディア。大賛同、しかしコメントでは反対意見の者も少なくないようだ。きっと耐力体力にも自信がないのだろう。
 現在満73歳、業界が萎んで自営業廃業に追い込まれてしまったが、もう少し働きたいとハローワークの求人を見ると60歳以上って皆無ではないが滅多にない。高齢者はお得だろうにね。
 高齢になっても働くためには健康でないとムリだ。そのためには若いころから備えていくしかないが、暴酒飲暴食喫煙者なら諦めたほうが良い。平均寿命にも届かないのだから。しかしトレンドとしては高齢者も活躍できる時代となりそうだ。耐力体力には過剰くらい自信がある。さ、もう少し頑張ろう。(2016/01/18 10:39)

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