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東京五輪を国内改革の加速器に

慶應義塾大学総合政策学部教授 竹中平蔵氏に聞く(後編)

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2015年1月22日(木)

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 2015年の日本の課題の1つに地方創生がある。経済学者の竹中平蔵氏は「そのためには特区などを活用した規制緩和が必要で、民間からの提案が重要だ」とする。さらに「2020年の東京オリンピックを加速器にして国内改革を断行すべきだ」と主張する。

安倍政権が掲げる重要政策の1つに「地方創生」があります。このテーマはこれまで何度も浮上しては掛け声倒れに終わってきた。これを実効性のあるものにするためには、何が必要でしょうか。

竹中:ここで申し上げたい重要な点はまず、地方分権と地方創生は違うということです。よく地方に金をばらまくと批判されますが、あれは県庁などの自治体に入っているだけで、民間に入っているわけではない。地方分権は基本的に行政の問題であり、地方創生は民間の問題です。ただし、2つは密接に関係し合っていますから、これをうまく結びつけていく必要がある。

竹中平蔵(たけなか・へいぞう)氏
1951年生まれ。73年、一橋大学経済学部を卒業、日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)に入行。89年、米ハーバード大学客員准教授。2001~06年にかけて経済財政政策担当相、金融担当相、郵政民営化担当相、総務相を歴任。06年から現職。同大学グローバルセキュリティ研究所所長も務める。(写真・菊池一郎、以下同)

銀行の検査マニュアルを「有事」から「平時」へ変えよ

 政府が掲げる地方創生という言葉。これは具体的に言うと2つのことを意味しています。地方に特区を増やしますよということと、地方の規制を重点的に緩和しますよ、ということ。成長政略で規制緩和が必要だと言いますが、実は、その規制の多くは地方にあります。

 典型的なのは保育所で、これはもともと地方自治体か社会福祉法人しかできなかったものを、2000年から株式会社でもできるようにしました。ところが、多くの市がこの株式会社の参入を阻んでいます。

地方自治体が自ら地方経済の活性化を妨げている、ということでしょうか。

竹中:おっしゃる通り、自分で自分のクビを締めているわけです。中央から補助金をもらって一時的に経済が良くなっても、またすぐに元に戻ってしまう。地方はこれを何度も経験しているはず。経済を本気で強くしたければ、自分たちがもっと筋肉質にならないとダメでしょう。

 同じ事は中小企業にも言えます。アベノミクスに関連し、富がしたたり落ちるという意味で、「トリクルダウン」という言葉がよく使われます。しかし、実際にはそんなものはありません。口を開けて待っているだけで物事が良くなるはずがない。富を拡大したければ、そのための仕組みを整備しなければ。

 たとえば、銀行融資の問題。そんなものは地方創生とあまり関係がないんじゃないかと思われるかも知れませんが、実際は多いにあります。実は、今ある銀行の検査マニュアルは私が金融担当大臣の時に作ったものです。ですからよく分かりますが、あれは非常時専用です。平時のものへと変えていく必要がある。

 検査マニュアルを変えてくれ、と特区で議論してもいいんです。マニュアルが変われば、銀行の貸し出し態度も変わってくる。そういうことも含めて、地方からどんどん提案を出せばいい。そのために国家戦略特別区域会議を作っているわけです。

 地方自治体や地方にある中堅・中小企業はまず、政府が作ったチャンスを自分で掴む意思を持たなくてはなりません。問われているのは、本当の意味でのアントレプレナーシップ。これは社長が2代目、3代目の企業でも同じです。

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