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【宮内義彦】「変えられないなら、日本はそれまでの国」

オリックス元会長が問う「公共の利益」

2015年1月21日(水)

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戦後70年となる今年、日経ビジネスオンラインでは特別企画として、戦後のリーダーたちが未来に託す「遺言」を連載していきます。この連載は、日経ビジネス本誌の特集「遺言 日本の未来へ」(2014年12月29日号)の連動企画です。

第6回は、2014年に経営の一線を退いたオリックスのシニア・チェアマン宮内義彦氏。私欲を追求する個人と「公共の利益」のバランスを問い続けてきた金融の異端児は、この国の舵を握っていく若い世代に、その気概を問います。

規制改革を説く金融の異端児
宮内義彦(みやうち・よしひこ)
 日綿實業(現双日)入社後、国内になかったリース業を米国に学び、日本に広める。1980年、45歳の若さでオリエント・リース(現オリックス)社長に就任。20年近く国の規制改革に携わる。終戦後の社会の激変を経験し「こうだと言われ、そうかと言えなくなった」。2014年に経営の一線を退き、同社シニア・チェアマンに。1935年9月生まれ。(写真:サトウヒロノブ、以下同じ)

 終戦の時は小学校4年生の少年でした。疎開児童として、まったく地縁も血縁もない兵庫県の辺境の町にいました。国民学校では、終戦直前まで「戦争に負けないぞ」といった、まさに軍国教育を受けてましたよ。そこに8月15日の終戦でしょう。秋学期になると、世の中が変わっているわけですね。その前は「鬼畜米英」と言っていたのが、いきなり「平和と民主主義」になって、この激変がやっぱりものすごく印象的ですね。

 学校の先生も9月の時点では何を教えたらいいか分からないんですよ。だから何ページを切り取って、何行目まで墨を塗ってと、教科書の改編から始まったわけです。そうしたら元々薄い教科書がもっと薄くなった(笑)。

10歳で目撃した、大人の葛藤

 私が面白いなと思ったのは、終戦直後だと思うんですが、そうした改編後の国語の教材に「明るい朝日が差してくる」みたいな表現の詩が残っていたんです。先生に「この詩はどういう意味だ」と聞かれてね。私はわけも分からんのに手を挙げて「それは新日本の行き方で、明るい光が民主主義だ」とか何とか、生意気なことを言ったわけです。そうしたら先生、怒りましてね。「そこまで考えんでもいい」と。その先生もやっぱり非常に葛藤があったんでしょうね。ひと月前まで自分が言っていたことと、全然違うんだから。面白くなかったんでしょう。

 人間はいろいろなことが影響して出来上がっているので、この終戦時の経験が私の人生にどれだけ影響したかは分かりません。だけど、かなりのインパクトがあったと思いますよ。何ごとについても「これがこうだ」と誰かに言われて「ああ、そうですか」と、素直に納得できなくなってしまったわけです。

 私は当時10歳で、このインパクトを受けた最後の世代かもしれません。でも私よりも5歳、10歳上の方々になると、まさに命を的にという状況を経験しているわけですから、当時のインパクトはもっと強烈だったことでしょう。

 戦後しばらくすると、まさに日本のリーダーだった東條大将をはじめ、国の中枢にいた人がみんな戦争犯罪人とされてしまいました。それはもう、今までの全否定ですよ。そんな難しいことは考えられなかったけど、子供心に「どうなっているの」と感じました。私たちの世代はみんなそうだったと思いますけどね。

コメント4件コメント/レビュー

最後の「遺言の残しがいがない」というのはあんまりではないでしょうか。宮内氏をはじめ同じ年代の方々が苦労され努力してきたのは分かるとしても、今の風潮、若者を導いてきたのもその年代の方々のはず。子は親の背中を見て育つ。無気力や拝金主義の若者が多いとすれば、それこそ育てた側の責任です。45歳だったらとおっしゃらずに、次世代の若者たちのために粉骨砕身、幾つになろうと理想のためにご尽力をお願いします。(2015/01/21)

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「【宮内義彦】「変えられないなら、日本はそれまでの国」」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

最後の「遺言の残しがいがない」というのはあんまりではないでしょうか。宮内氏をはじめ同じ年代の方々が苦労され努力してきたのは分かるとしても、今の風潮、若者を導いてきたのもその年代の方々のはず。子は親の背中を見て育つ。無気力や拝金主義の若者が多いとすれば、それこそ育てた側の責任です。45歳だったらとおっしゃらずに、次世代の若者たちのために粉骨砕身、幾つになろうと理想のためにご尽力をお願いします。(2015/01/21)

良かったです。参考になりました。何でこんなに評価が低いのかわかりませんが・・個人的には賛同できる意見が多かったです。(2015/01/21)

かんぽの宿、ねえ。収益還元法で算定したら値段のつかない物件群をどうするか、サンクコストを政治的にどう考えるか、という議論が全く理解できない不勉強な人が国会議員にも多くいましたね。会計や金融の、高度な知識は要らないにしても、基本的なことくらいは踏まえておかないとねえ社会人は。(2015/01/21)

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新谷 美保子 TMI総合法律事務所弁護士