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法人税を初めて払って、感動しました

マネックスグループ兼マネックス証券 社長CEO 松本 大さん【後編】

2015年1月27日(火)

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松本:僕が起業した頃、大変だったこと。それはやはり、信用力がない、という点ですね。

松本 大(まつもと・おおき)
マネックスグループ代表執行役社長CEO、マネックス証券代表取締役社長CEO
1963年埼玉県生まれ。1987年、東京大学法学部卒業後、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券株式会社入社。1990年、ゴールドマン・サックス証券株式会社に転職。1998年、同グループのリミテッド・パートナーに抜擢されたが、オンライン証券設立のために退社。数か月後に上場予定だったゴールドマン・サックスを辞めるという決断は、上場時に得られる数十億円の報酬を諦めるという決断であり、当時、大きな話題となった。1999年、マネックス証券設立。現在、株式会社カカクコムなど数社の社外取締役を兼任。『お金という人生の呪縛について』『私の仕事術』など著書多数。(写真:陶山 勉、以下同)

 ベンチャー企業に信用はなかった。たとえば、大阪に行くチケットを買うにも現金前払いを求められました。普通はそうだと思いますが、ゴールドマンにいた頃は掛け払いでニューヨーク往復ができたんですよ。今の事情は知らないですが、当時はそうだった。だから、「信用してもらえないんだな」と思いました。電話代も前払いを求められて、唯一、NTTが出していたクレジットカードなら後払いでも可能だったので、そのためにそのカードを作ったこともありましたね。

 あとは、先ほども言った通り(前編参照)、業務委託していた取引先が頼んだことをちゃんとやってくれなかったりして。社会での「扱い」が厳しいと痛感しました。お客様は良いサービスを出しさえすれば使ってくださるからいいんです。コーポレートコミュニティの部分が、振り返っても、案外厳しかったなあ、と思います。

古市:BtoBの世界では、松本さんでもそこまで信用してもらえなかったのか……。起業してから何年目くらいで「自分たちの仕事はこれでうまくいく」と思えるようになりましたか。

松本:黒字化した時でしょうか。もう少し、具体的に言うと累損を一掃した時ですね。4年ほど赤字が続いていたのが、一気にこつんと黒転して、黒転したら1年弱で累損が一掃できた。その時、「ああ、何とかなるのかな」と思いました。その次は、法人税を払った時! 法人税を払った時は感動しましたねえ。

古市:そんなに払いたかったんですか(笑)。

松本:やっぱり払いたいですよ。人間というのは誰しも扶養家族から始まっています。親の扶養家族として育ち、学校時代は国の扶養家族でもあり、会社に入っても、新入社員時代は会社の扶養家族なんですよ。でも帰納法で考えると全員が扶養家族だったら、そのコミュニティは潰れてしまう。だから、どこかで逆転があるはずなんです。つまり、扶養する立場に変わる日がやってくる。

法人税納税が起業家の成人式

松本:会社から給料を払われたら所得税を払い、みんなの経済活動によって消費税を払い、そして会社は利益を出したらきちんと法人税を払う。法人税を払った時は、ついに大人になった気がしましたね。

古市:大人になった気がした(笑)。法人税の納税は起業家の成人式なんですね。

松本:うん。ようやく大人になれたなあ、という気持ちがこみあげてきて、感動しました。

古市:わりと早めに大人になれた気がしましたか。それとも、大人になるまでこんなに時間がかかるのか、と思いましたか。

松本:それはあまり考えなかったです。僕はどこまで行こうという目標も持たないし、いつまでにやろうという目標も持ちません。ただ、こっちの方向に行こうという目標を持つタイプだから。

古市:ご著書の中で「社会を変えたい」「社会をよく変えたい」といった主旨のフレーズが何回か出てきて印象的でした。そうした思いを昔からお持ちだったんですか。それとも、事業していく中で何かに目覚めたのでしょうか。

松本:外資系金融に就職して、そこで育ててもらい、僕にとって資本市場というものが、自分を猿から人間にしてくれたような感覚がありました。

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「法人税を初めて払って、感動しました」の著者

古市 憲寿

古市 憲寿(ふるいち・のりとし)

慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員

1985年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程在籍。慶應義塾大学SFC研究所訪問研究員(上席)。大学院で若者とコミュニティについての研究の傍らIT戦略立案等に関わる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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