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良い社員を集めたいなら、社風を良くしなさい

中央タクシー会長 宇都宮恒久氏に聞く

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2015年1月29日(木)

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 長野県から成田や羽田などの空港まで送迎する「空港便」を主力として、県内トップの売り上げを誇る中央タクシー。乗務員一人ひとりが現場で判断し、提供するきめ細やかなサービスが顧客の強い支持を得ている。濃密な人間関係と良い社風の中で磨かれた社員の人柄が良いサービスを生んでいる。

中央タクシーは「お客様が先、利益は後」との理念を掲げ、顧客の強い支持を得ています。「体が不自由な高齢者に代わって雪かきした」「電動車いすを載せるために1時間かけて解体し移動先で組み立てた」など伝説となったサービスもあります。宇都宮会長はどのように理念を社員に浸透させていったのでしょうか。

宇都宮:創業以来39年間、とにかくしつこく「お客様主義」「お客様本位」と言い続けました。最初はなかなか理解してもらえませんでしたよ。お客様の乗降時に車から降りてドアを開閉する、お客様が車に乗ったら自己紹介をする、制服とネクタイを着用するといった基本的な指示すら従わない乗務員も多かった。

タクシー会社を見る世間の目、社会の目を変えたかった

宇都宮恒久(うつのみや・つねひさ)氏:1947年長野市生まれ。大学中退後、父親が経営する宇都宮乗用自動車商会に入社。75年に独立し中央タクシーを設立、社長に就任。県内初の運賃値下げや長野県内と成田空港などを結ぶ乗り合いタクシー事業「空港便」などを手掛け、県下ナンバーワンのタクシー会社に育て上げた。2008年、長男の司氏に社長を譲り、会長に就任。 (写真:林 安直、以下同)

 当時の朝礼風景の写真を見ると、サングラスをかけ、堅気とは思えない真っ白なズボンをはいた乗務員がいます。それでもあきらめずに言い続けました。

 中央タクシーの車のリアウインドーには「私はお客様を大切にします」と書いたパネルを置いています。当初はみんな「こんなの恥ずかしくて載せられない」とトランクにしまっていました。それで「パネルを接着剤で固定しよう」という声も出たのですが、いや、そこまではやらなくていい、外さなくなるまで待とうと。「外すな」「隠すな」と言い続けるうちに、だんだんと誰も外さなくなりました。

宇都宮会長があきらめずに言い続けた原動力は何でしたか。

宇都宮:かつてタクシー乗務員は「雲助」と揶揄(やゆ)されることがあるなど、社会的地位があまり高くありませんでした。私はタクシー会社を見る世間の目、社会の目を変え、乗務員に働きがい、やりがい、誇りを感じながら仕事をしてほしいと思っていました。

 「一般乗用旅客自動車運送事業」という許認可業のタクシー会社を、サービス業に変えていこうと考えたのです。

顧客のニーズは時と場合に応じて様々です。どんなサービスを提供するか、マニュアルをつくって対応することはできませんね。

宇都宮:その通りです。タクシー乗務員の仕事はほとんどが事業場外労働で、社長の目は届きません。一人ひとりの乗務員がその場で判断して行動します。良いサービスは現場に出ている乗務員のモラル、モチベーション、人柄から生まれます。その人柄は仲間との濃密な人間関係や良い社風の中で磨かれ、光っていきます。

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