• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

「もの」「こと」だけではなく裏にある「わけ」も考える

セコム・小松崎常夫常務執行役員と探る“もの・ことづくり”(1)

2015年2月18日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「ものづくり」が得意な日本にあって、珍しく「ことづくり」から発展してきた企業が、セコムです。実現したい「こと」に必要な、「もの」の開発を促し、さらに「こと」を進化させていくという、理想的なサイクルを体現してきています。セコムの「ことづくり」を牽引している、常務執行役員 IS研究所所長の小松崎 常夫さんに、じっくりとお話を伺いました。小松崎さんには、「ものこと双発協議会」および「ものこと双発学会」のいずれにも理事として議論に参加いただいています(3月14日に開催される「ものこと双発学会」の年次研究発表大会の詳細はこちらから)。

田中:セコムでは、「ものづくり」から「ことづくり」に踏み込んだのではなく、逆に、サービスを起点に「ことづくり」から、そこに必要な「ものづくり」に注力していくというスタイルが、日本企業の中では際立っています。

小松崎:実は、「もの」と「こと」だけでは足りないな、という問題意識を持っています。例えば、私たちの人生を考えてみても、結婚する、子供が生まれるなど、「こと」として生活の営みの中で生じるいろいろな事柄がありますよね。

時代とともに変化する「わけ」

小松崎常夫・セコム常務執行役員 IS研究所所長

 その中で、子供の出産は誰にとっても特別なことだと思いますが、子供が生まれれば、成長に伴って様々なお祝いがあります。そのお祝いには必ず「わけ」があるはずです。例えば七五三ですが、行事のスタイルは地域によって差があると思いますが、元々七五三という行事ができた背景には子供が亡くならずに育ってくれたことへの感謝があったのだと思います。子供が幼い頃に亡くなることが多かった時代からの風習でしょう。

 大変ありがたいことに、今の時代は子供が幼くして亡くなってしまうことは本当に少なくなりました。ですから、今の親御さんは子供がよくぞ生き抜いてくれたという感謝の意味合いよりは、家族の大切な思い出としてこの瞬間の子供の姿をどれだけきれいに写真に残すかが大切で、その思いに応えてくれる写真スタジオが重要な存在になってきています。

 つまり、七五三という「こと」の捉え方が、昔と今では全く違うのです。なぜ七五三を祝うのかという「わけ」が時代とともに変化しています。そうすると、関連するサービスを構想する際に、七五三というイベント、つまり「こと」を考えるだけでは十分ではなく、その「こと」に内在されている「わけ」まで考えないと、親御さんの心に響く良いサービスは実現できないと思います。

 特に、セコムの場合は安心を提供しているので、表面をなぞっただけのようなサービスでは決してお客様に満足いただけません。

 ちょっと例を挙げますと、お客様が長期間ご自宅を留守にしなければならない状況を「こと」とするならば、なぜ自宅を留守にするのかという「わけ」を知っているといないとでは大きな違いが出てきます。

 例えば、ご夫婦の結婚30周年の記念で海外旅行をするために留守にするのか、あるいは何か別の理由で留守にするのかによって、その留守の間に万が一ご自宅に異常事態が生じた場合、どのような方法で対応するのがお客様にとって理想的なのかが違ってきます。

 お客様が自宅を留守にする「わけ」、具体的には留守中の状況や出先での出来事の軽重などをわかってないと最適な対応を選ぶことができません。もちろんプライバシーに立ち入るというのではなく、その「わけ」を知ることで、よりきめ細かな対応と「安心感」を提供するということを主眼においています。こうしたことから、「わけ」までわかっていることが良いサービスを提供する上で非常に重要になってくると私は思います。

 「もの」を作るメーカーであれば、これまでの「ものづくり」中心の考えから「ことづくり」まで考える幅を広げることで良いのかもしれません。しかしセコムのようなサービス業の場合、「ことづくり」はこれまでも取り組んできた普通のことですので、さらにもう一段深めた階層にある「わけ」まで考えてサービスを提供しない限り、社会がサービスを指向した「ことづくり」に向かう時代に、セコムが魅力的で強い事業を維持できる「わけ」がないのです。

コメント0

「“ものこと双発”で起こそう産業構造革命」のバックナンバー

一覧

「「もの」「こと」だけではなく裏にある「わけ」も考える」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

誰もやらない領域を根気強く続けられるかが成功の秘訣。

田坂 正樹 ピーバンドットコム社長