みなさんは、ご自分の仕事について、お子さんに話していますか。あるいは、ご両親から仕事の話を聞いたことがありますか。
実は私は、バツイチのシングルマザーです。若いときの自分を振り返ると、経営者としての至らなさはもちろん、妻としての自分には、それ以上に多くの反省点があります。

その詳細は別の機会に譲るとして、そんななかでも母として「これだけはきちんとできたかな」「やっていて良かったな」と思うことがあります。それは、母子3人の生活のなかで、今は高校生になった息子にも娘にも、小学生のころからことあるごとに、私の仕事についてできるだけ詳しく率直に、伝えてきたことです。
“跡取り娘”の相談が急増!
このごろ、私と同じように、お父さんが経営する会社を継ぎたいという娘さんの相談をよく受けます。後継者となる息子さんの話を聞く機会も増えました。
そこで痛感するのは、先代であるお父さんたちが事業に賭けてきた思いを、後を継ぐ子どもたちがしっかり受けとめることの重要性です。お父さんたちの情熱が伝わっていないために、親子関係がこじれてしまうケースがとても多い。オーナー経営の会社で、創業者一族の関係が悪化すると会社の軸が定まらず、経営が迷走します。そのとばっちりを受けるのは、何といっても社員たち。そんな悲劇が今、日本のあちこちで起きているような気がしてなりません。
後継者が女性である場合と、男性のケースでは、問題の構造が少し違うことが多いようです。
まずは女性の場合から。
私の父親は経営者では無いのですが、父親とソリが会わないという共通点を感じたのでコメントします。親子関係については色々と勉強してきたつもりですが、一番印象に残っているのが、マイケルジャクソンのケースです。彼は徹底的に父親に指導を受けた結果として、有り余る実績を残していますが、遺産は一切渡さないと明言していました。親子といえども個人の目指すベクトルが異なると不幸に繋がるように思います。ベクトルを合わせる作業は、親側子側双方が必要に思いますが、社会人経験の差という観点で親側が配慮すべき点は多いように思います。(2015/02/04)