• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

お客さん、従業員と順番に喜ばせていけば、最後は株主も儲かる

ハイデイ日高会長 神田正氏に聞く(後編)

  • 日経トップリーダー

バックナンバー

2015年2月5日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

ラーメン店「日高屋」を中心に350店あまりを展開し躍進を続けるハイデイ日高。創業者で会長の神田正氏は「商売は人なり」という経営哲学の持ち主だ。会社と従業員は運命共同体。どちらを犠牲にしても成り立たないが「利益のために従業員を犠牲にするというのは最もやってはいけないこと」と言う。そんな哲学にたどり着いたわけは──。

外食産業は今、どこも人手不足で困っています。アルバイトが雇えなくて店を閉めざるを得ないところまで出てきています。この状況をどう思われますか。

神田:外食というのは昔からなかなか人が集まらない業界なんです。人を集めるのには私も随分と苦労をしましたし、今もなかなか……。

神田正(かんだ・ただし)氏。
1941年埼玉県日高市生まれ。中学卒業後、工場勤務など数々の職を転々とした後、20代初めでラーメン店に就職。引退した店長の店を引き継ぐ形で31歳で独立したものの閉店を余儀なくされる。73年大宮市(現さいたま市)におよそ5坪のラーメン店「来来軒」をオープン。その後、「ラーメン館」などの新業態にもチャレンジ。83年に株式会社化し、98年、それまでの日高商事から「ハイデイ日高」に商号変更。99年日本証券業協会(現ジャスダック)に店頭登録。2002年に主力を低価格ラーメン店「日高屋」に移行し、新宿に第1号店をオープン。05年4月に東証第2部、06年8月に第1部に上場。09年から現職。(写真:鈴木愛子、以下同)

夢を語り始めたら、皆が支えてくれるようになった

 夜の10時までだった営業を深夜まで延長した時、あまりにも人が来てくれないから、施設に行って両親のいない子を引き取って働いてもらったこともありますよ。その人は今うちの幹部になっていますけどね。

 外食と言ったら、今は24時間365日、年中無休が当たり前。従業員からすれば、こんなに嫌な仕事はないでしょう。ほかの業界の社会人なら、午後8時頃には家に帰ってテレビを見て風呂でも入ろうか、という時に働かなくちゃいけないんですから。家族にとってもつらい。倍の給料をもらっても嫌だ、という人がいるのも分かります。

 勤務時間が不規則ですから、やはりお金以外の喜びがないと続かない。この仕事をやることによってお客さんが喜んでくれるとか、人間的な関わり合いの中から生まれてくる喜びです。私はできるだけそういう喜びのある組織をつくりたいなと思ったんです。

具体的にはどんな取り組みをされたのでしょうか。

神田:店が4軒くらいに増えた時でしたか。まだ上場前だった頃に「経営計画発表会」を始めました。丸1日、パートさんも取引業者さんも、銀行の担当者も全部呼んで、こうなりたい、ああなりたいという自分の夢を語りました。

 一時期、自分のおふくろまで呼びました。そうしたら、話している時におふくろと目が合っちゃって、わんわん泣き出してしまったこともありました。苦労して育ててくれたおふくろですから、涙が出ちゃってね、止まらなくなりました。

 考えてみたら、経営者が従業員の前で夢を語るなんていう機会はそれくらいしかないんです。外部の人も呼んでいますから、その分、自分にもプレッシャーが掛かる。

 不思議なもので、そうやって語り始めると、肉屋さんもいい肉を持ってきてくれたりするようになる。銀行も最初は若い担当者だけでしたけれど、そのうち課長が来て、支店長が来て、しまいには頭取まで来るようになった(笑)。要するに、みんなが支えてくれるようになるわけです。社員も信頼してくれるようになるしね。

ハイデイ日高ではアルバイト・パートを「フレンド社員」と呼び、そうしたフレンド社員を集めた「感謝の集い」も開かれています。

神田:これも最初は埼玉県の大宮で開いていたんですけれども、千葉県とか神奈川県の人が来るのが大変なものだから東京都内で開くようになりました。2014年は2回開きましたね。

 どうしてこの集いを始めたかと言うと、店舗数が増えてなかなか全部を回りきれなくなった時に、10年いたパートさんが黙って辞めてしまうということがあったんです。10年も勤めてくれたのに「ありがとう」の一言も言えなかったな、と思ってね。それで、そういう会を思いついた。年に1回か2回、みんなで集まれば私の気持ちも伝えられるだろうと。

 感謝の集いで会社の経営方針が分かったって言ってくれる人もいますよ。私の話を聞いて、フレンド社員から正社員になりたいという人も出てきています。希望者全員というわけにはいきませんが、毎年、20人前後が正社員に転換しています。

「トップリーダーかく語りき」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

変化を受け入れやすい組織体質があればビジネス上の“地殻変動”が起きた際にも、他社に半歩先んじられる。

井上 礼之 ダイキン工業会長