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100年企業を復活させ最高売り上げを達成

桃谷順天館の桃谷誠一郎社長に聞く

2015年2月9日(月)

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 創業から100年以上続いている老舗企業は、日本に2万社以上あると言われている。100年以上続く中には、当然良い時期もあれば悪い時期もある。100年続いているからと言って、その伝統にあぐらをかいていると、企業として成長はままならない。

 大阪に本社を置く桃谷順天館は、130年の歴史を持つ化粧品会社だ。経営危機の時期もあったが、ここ10年で売り上げは2.8倍に伸長し、2014年は過去最高の売り上げを達成した。老舗企業が、なぜここまでの活力を出せるのか。社長の桃谷誠一郎氏に聞いた。

(聞き手は木村知史)

桃谷順天館の創業は1885年。今年で130年目を迎えた大変歴史のある企業です。創業者一族ということで、生まれた頃から会社を見てきたと思うのですが、やはり家業を大きくしたいという思いが強かったのでしょうか。

桃谷 誠一郎(ももたに・せいいちろう)氏
桃谷順天館社長。東京理科大学薬学部を卒業後、慶応義塾大学大学院にてMBA(経営学修士)を取得、大手製薬会社に入社。経営危機の状態の時に桃谷順天館からの誘いを受け、入社を決断。営業からスタートし、貿易・国際事業部を経て経営企画室を経験後、1996年社長に就任。

桃谷:創業者の桃谷政次郎が和歌山県粉河町で創業しました。130年という長い間、会社が存続しその門が閉じられていないということは、ありがたく感じております。

 130年という長い年月を経てきたのですから、会社には良い時期もありましたし、悪い時期もありました。実は、私が若い頃は、会社があまりうまくいっておらず、相当経営が厳しい状況にありました。

特に桃谷順天館において立場を約束されたわけではなかったのですね。

桃谷:今から考えると、卒業した頃は、桃谷順天館で働くことはないと思っていました。ずっと、違う企業で働くのだろうなと。家業という意識が薄く、実は大学院を出て就職したのは、別の製薬会社だったのです。

 ところが、製薬会社に勤めて2年経った頃に、当時の役員クラスの方に、桃谷順天館を立て直したいから手を貸してくれないか、と依頼を受けたのです。業績としては、最悪の頃でした。会社の売り上げをはるかに超える債務があり、給料の支払いにも四苦八苦するほど、どん底の経営状態だったようでした。

 自分の出る幕はないと考えておりましたが、当時でも100年以上の歴史があり、伝統ある会社で、自分も何かやれることがあるに違いないと思い、入社を決意しました。1989年のことです。

昨年には、これまでの最高売り上げを達成するまでになりました。いろいろ改革を先導されたと思うのですが、どんなことが効果を発揮したのでしょう。

桃谷:まず、創業者・桃谷政次郎の理念や思いを、多くの従業員に伝え、当時の従業員と共に再認識していきました。要するに原点回帰です。

 100年以上もの長い間続いてきた会社には、他社にはない“何か”があるわけで、創業の頃からのものづくりに対する熱い思いとか、何かそのようなものが脈々と引き継がれてきているのだろうなと、漠然と思っていました。もちろん、私は創業者に会ったことはありません。ただ、創業に至るまでの経緯や創業者の思いのようなものは、詳しく知りたいと常々思っていました。

 そんなとき、倉庫を片付けていたら、ある1冊の本が出てきました。それは、「政次郎翁傳」と付けられたものでした。創業者が亡くなったときに、彼を知る人々によって編まれた伝記でした。まさに、私の疑問に答えてくれる本が見つかったわけです。

 創業者が大切にしたのは、天に順い(したがい)人々に奉仕する『順天』という哲学です。愛する妻がにきびに悩むのを見て、どうしても治してあげたい、という創業者の思いから生まれた1本の化粧水「にきびとり美顔水」が我々の会社のルーツです。西洋医学で高名な東京帝国大学の桜井郁次郎先生に指導をお願いするため、わざわざ和歌山から汽車のない時代に帆船を使い東京へ行き、研鑽を重ね、ようやく完成させた創業者の情熱や信念、徹底したものづくりの品質にかけた思い、商品のネーミングへのこだわりなど、様々な出来事がその本に載っていたわけです。それだけの多くの人のエネルギーが、商品を開発するときに注がれていたことが、これを見て初めて分かったのです。

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「100年企業を復活させ最高売り上げを達成」の著者

木村 知史

木村 知史(きむら・ともふみ)

日経ビジネスDigital編集長

日経メカニカル、日経ものづくり編集などを経て、2014年4月から日経ビジネスDigital編集長。アプリ開発やサイト運営をメインの業務とする一方で、製造業関連や中国関連の記事をサイトに執筆。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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