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【村井史郎】「事業なんて、人が生きるための手段に過ぎない」

63歳から2000億円企業を築いた男の正道

2015年2月6日(金)

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戦後70年となる今年、日経ビジネスオンラインでは特別企画として、戦後のリーダーたちが未来に託す「遺言」を連載していきます。この連載は、日経ビジネス本誌の特集「遺言 日本の未来へ」(2014年12月29日号)の連動企画(毎週水・金曜日掲載)です。

第11回は、EMS(電子機器の受託製造サービス)の現シークスを63歳で設立し、売上高2000億円の国内最大手に育て上げた村井史郎氏。人間が最も大事にすべきものは信頼で、それがあれば何でもできると話します。

世界を魅了する日式EMSの親分
村井 史郎(むらい・しろう)
 EMS(電子機器の受託製造サービス)の現シークスを63歳で設立。売上高2000億円の国内最大手に育て上げた。同社会長。「朝鮮戦争の停戦直後に38度線を踏んだ」などの武勇伝には事欠かない。取引先の社員にすら「上司には悪いが、一度でいいから村井さんの部下として仕事をしてみたい」と言わしめる兄貴分。1928年9月生まれ。(写真:柴田謙司、以下同じ)

 86年間生きてきました。自分の意識がある程度しっかりしてから数えれば、ニアリー80年の時間があるわけですね。戦争を含め、この間に2度とない経験をしてきました。60年ほど貿易の仕事に携わって、世界中飛び歩いて、何万人の人と会っていると思いますね。従業員を含めたら何十万人の。それで世界中の経時変化を自分の目で眺めてきました。そうすると人としての大事なもんがね、なんとなく分かってきますよ。

 うちとこの会社は「国内最大のEMS(電子機器の受託製造サービス)」と紹介されるんですけど、社員には「何でもやれ、EMS屋になるな」って言うてるんです。

 もともと私はサカタインクスってインキ屋に勤めてましてね。そこで何を間違えたのか、電気部品の輸出なんかをするようになった。サカタインクスに海外との取引なんてなんにもない時代ですよ。1957年に英語もまともにできなかったけど、海外出張に行かせてもらって、そこでラジオとかの部品輸出に可能性を感じた。それで1人でやり始めたんですな。周囲には「インキ屋のくせになんで」って言われましたけど「デンキとインキは一字違いやないか」って言い返してね。

「信頼があれば、なんでもできる」

 今や、うちでは家電とか楽器、ゲーム機、飛行機の音響装置なんてものまで作ってます。もう、ありとあらゆることをやる姿勢でいるんですが、いろいろやっていて感じることって、結局、変わらない人間関係さえ作れば、あとはどんなことをやったとしても同じやということなんです。

 私はどんな時代であれ、人の信頼を得るということが全てのベースになっていると思いますね。人間と人間が信頼という形で結びついたときに、いろいろなことが顕在化していくんです。信頼って何やといったら、人の期待を裏切らないことですよ。仕事の面というよりも、人間としての部分ですね。

 ビジネスの面では、時代や環境など、変わるものに沿って変わっていかねばならんと思います。でも、そういう変わっていくものを成功に導くものは、人間の変わらないものだと思うんです。今や世界中ボーダーレスでものを考えるというのが主流です。うちの海外売上比率は8割ですが、言語も文化も違う人が認める普遍の価値が無かったら、一緒に商売するのも難しいでしょう。人種が変わろうが、国籍が変わろうが、名画を見て「いい」と思うことはあるわけですね。そういう普遍的な価値を、もっと重視しないといけないと思います。

コメント2件コメント/レビュー

感動しました。ぜんぜん存じ上げませんでしたが。(2015/02/06)

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「【村井史郎】「事業なんて、人が生きるための手段に過ぎない」」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

感動しました。ぜんぜん存じ上げませんでしたが。(2015/02/06)

不思議なほど素直に読み切りました。大抵の記事には「それは…」というような部分があるのですが。(2015/02/06)

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