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“日本のピケティ”が見た日本の格差拡大

橘木俊詔・京都大学名誉教授に聞く

2015年3月2日(月)

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 仏パリ経済学校のトマ・ピケティ教授著『21世紀の資本』(みすず書房)が日本のメディアを席巻、その余波は今も続き、格差に関する議論がヒートアップしている。ピケティ教授が政治・世論にもたらした影響や、日本固有の状況に照らした日本の格差問題をどう捉えるか。来日したピケティ教授と対談した“日本のピケティ”、橘木俊詔京都大学名誉教授に聞いた。

(聞き手は広野彩子)

橘木俊詔(たちばなき・としあき)氏
京都女子大学客員教授、京都大学名誉教授。1967年小樽商科大学卒業後、69年に大阪大学大学院経済学研究科修士課程修了。73年、米ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。98年、京都大学経済学博士。フランス国立統計経済研究所(INSEE)、経済協力開発機構(OECD)エコノミスト、京都大学経済研究所教授、IMF(国際通貨基金)客員研究員、京都大学大学院経済学研究科・経済学部教授などを経て現職。専門は労働経済学、応用計量経済学、日本経済論。数多くの英語・日本語・フランス語による経済学術論文・書をはじめ『日本の経済格差:所得と資産から考える』、『格差社会――何が問題なのか』(岩波新書)、『女女格差』(東洋経済新報社)など一般向け書籍を多数出版。(写真=菅野勝男、以下同)

日経ビジネスオンラインは2015年2月6日に、トマ・ピケティ仏パリ経済学校教授と吉川洋・東京大学大学院経済学研究科教授の対談を掲載しました(日経ビジネス本誌では2015年2月16日号に掲載)。吉川教授は、橘木俊詔教授が1998年に出版された『日本の経済格差:所得と資産から考える』に言及し、「橘木教授は日本のピケティだ」とピケティ教授に紹介していました。橘木教授も、東京都渋谷区の日仏会館でピケティ教授と対談されました。

橘木:私もピケティ教授も、世界の資本主義国家はどの国でも格差拡大を経験している、という認識は一緒です。ところが、視点が少し違う。彼は、お金持ちがいっぱい増えていることを格差の象徴と考えている。一方私は、お金持ちが増えたのも確かに格差拡大の1つの象徴ですが、貧困者の数が増えていることこそが重要な現象だということを言いたい。

ピケティ教授は所得税、相続税といった「直接税」を推奨

本誌の対談でピケティ教授は、「高所得層には関心がありません。低所得層の所得がどんどん減っていることが問題だと思っています」と発言していました。

橘木:その件を日仏会館で対談した時に質問して、「あなたは所得層の上位1%や10%に注目しているが、私は低所得層が増えていることに着目しているのです」と言ったら、ピケティは「低所得層が増えていることも分かっているが、自分は書籍では高所得者に特化して書いた」と答えていましたよ。

 また、消費増税にピケティ教授は反対ですが、私は消費増税が必要とのスタンスです。対談で私が質問する時に「日本はまだ福祉国家ではないので、消費税をアップして福祉国家にする必要がある」と言ったところ、彼は、消費税より所得税で再分配すべきだ、と盛んに言っていました。ここがやはり違います。

コメント16件コメント/レビュー

消費税は逆累進性の最悪の税金は明らかです!男女格差などに争点を変える前に、格差を広げている政策を研究しましょう。軽自動車税値上げは、お金持ちの方は全く困りません...(2015/05/08)

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「“日本のピケティ”が見た日本の格差拡大」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

消費税は逆累進性の最悪の税金は明らかです!男女格差などに争点を変える前に、格差を広げている政策を研究しましょう。軽自動車税値上げは、お金持ちの方は全く困りません...(2015/05/08)

「人口減少社会でGDPの長期的な成長など有り得ない」という基本的な事実を政治は一切語りませんね。戦争中の精神主義が現政権では未だに幅を利かせているようです。(2015/03/09)

ピケティ氏はあるデータを用いた論理展開で、所謂トリクルダウンが起きないことを実証し、経済的に成長するには中間層を手厚くすることが大事であると結論づけているわけですが…論者はあるべき論を振りかざし、経済成長を真っ向から否定している時点でピケティ氏とは比べるべく人物には該当しないでしょう(笑)むしろ、コメントに既に書かれている方もいますが、藤井聡教授や中野剛志氏、三橋貴明氏等の面々を日本のピケティ氏と呼ぶべきだと思いますね。また、護送船団方式などと揶揄はされるものも昭和の政策と経済が合致していた時代を振り返れば、今の日本が行うべき政策は消費税増税などとは真逆の政策であるということは確実でしょう。またデータから紐解けば、人口減少や(日本においては)輸出の減少などは経済成長しない理由にはならないというのが明白になるので子に時点でピケティ氏を引き合いに出すことにも違和感を感じました。(2015/03/07)

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