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40兆円の眠れる資産「キモノ」を観光資源に

爆買いはいずれ下火、文化体験でリピーター呼ぶ

2015年3月6日(金)

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日本国内には40兆円分もの「着物」が眠っている。国内の着物市場が縮小を続ける中、リユース(中古)の着物を廉価で販売する「たんす屋」を展開する東京山喜は、取り扱い量を今後10年で10倍に増やす計画だ。

訪日客の急増に伴って、お土産や自分用に着物を買う外国人が増加。国内の潜在需要の掘り起こしを狙うとともに、他社との連携による着物を取り入れた観光コンテンツ開発も目指すという。中村健一社長に聞いた。

(聞き手は秋山知子)

リユース(中古)の着物を廉価で販売する「たんす屋」を約120店舗、展開されています。最近、一部の店舗で外国人向けの売り上げが急増しているそうですね。

中村健一(なかむら・けんいち)氏。1954年、京都生まれ。77年米カリフォルニア州立大学ロングビーチ校留学、79年慶應義塾大学卒業。同年、東京山喜に入社。93年に社長に就任。

中村:東京・浅草地域で現在5店舗を展開しているのですが、売り上げの2割5分から3割は既に外国人向けが占めるようになりました。

 海外からの仕入れも増えつつあります。欧州、ドバイなどの中東地域、台湾などアジアから直接買い付けに来る例が増えています。定期的に仕入れている業者で昨年、パリ10区に着物専門店を開店したところもあります。

浅草のたんす屋・新仲見世店で着物を買うタイ人女性。カップル2組で来店し、着付けをしてそのまま観光へ出かけた

外国人はどのような着物を買っているんですか。

中村:一番人気は羽織です。カジュアルホームウエアとして着る人が多いですね。全体的に、渋い織りよりは華やかな日本らしい絵柄の染めが人気です。台湾では赤や黄などの派手な色調が好まれます。一方、フランス人にはシックな黒がとにかくよく売れます。

 もちろんカジュアル着だけでなく、茶道や踊りをやっているなどで本格的に着物を着る人の需要もたくさんあります。台湾の百貨店では年2回、催事で販売をしていますが、若い女性が買いに来て「家にあるアルバムでお祖母ちゃんが着物を着ている写真がかっこいいので着てみたくなった」とおっしゃる。終戦まで約50年間は日本だったわけですから着物文化が残っているんですね。

 昨年10月からは、都内と京都の店舗で免税対応を始めました。現在20店舗が免税店になっています。消費税8%はやはり大きいので、外国人旅行者はかなり敏感に反応しますよ。

コメント2件コメント/レビュー

我家にも実家のたんすに、結婚以来16年間一度も袖を通したことがない、1千万円を超える妻の着物があります。しかし今後これに袖を通すことはなさそうです。売りに出すことも考えていません。そのまんま死蔵するのみです。着物を必要とする、生活の基盤が既に破壊されているので、こうなりました。二度と戻ることはありません。記事のビジネスは過渡期の話としては成り立つでしょうが、それは着物を必要とする文化の復活ではありません。定期的な防虫剤の交換をするのがやっとです。子供に引き継ぐことが無ければゆくゆく処分するかもしれませんが、業者引取り価格で売りに出す気はありません。惨めな思いをするくらいなら捨てるほうがましでしょう。(2015/03/06)

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「40兆円の眠れる資産「キモノ」を観光資源に」の著者

秋山 知子

秋山 知子(あきやま・ともこ)

日経ビジネス副編集長

1986年日経BP社入社。日経コンピュータ、日経情報ストラテジー、日経アドバンテージ、リアルシンプル・ジャパンの編集を担当。2006年から現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

我家にも実家のたんすに、結婚以来16年間一度も袖を通したことがない、1千万円を超える妻の着物があります。しかし今後これに袖を通すことはなさそうです。売りに出すことも考えていません。そのまんま死蔵するのみです。着物を必要とする、生活の基盤が既に破壊されているので、こうなりました。二度と戻ることはありません。記事のビジネスは過渡期の話としては成り立つでしょうが、それは着物を必要とする文化の復活ではありません。定期的な防虫剤の交換をするのがやっとです。子供に引き継ぐことが無ければゆくゆく処分するかもしれませんが、業者引取り価格で売りに出す気はありません。惨めな思いをするくらいなら捨てるほうがましでしょう。(2015/03/06)

コラムを面白く拝見しました。我が家では既に老人ホームに入居した母の本宅に祖母から受け継いだものも含めて数多くの着物と和箪笥があり、母亡き後はこれを大量処分しなければならないと今から溜め息が出ます。そして我が家には妻が嫁入り道具に持ち込み未だ袖に手も通していない一品があり、本人弁解して曰く自分で着ることはないけど思い出だからこのままで。にもかかわらず今度は娘の成人式用に販売業者からの猛アタックに負けてさらに一着。結局着物所有のコストは初期投資だけでなく保管の手間やスペースに加えて、出動する毎の着付けとヘアサロンの費用と手間。出先で着崩れたら自分で直せないなんて端で見る方も不安この上ない。もう日本の庶民には伝統的着物文化を受け継ぐなんて無理、そんなお荷物を活用してくれる商売があったら大助かりです。(2015/03/06)

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