• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ファンの頂点、“レゴの神様”は日本人

イノベーションを誘発する顧客との信頼関係

2015年3月16日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 2月25日、デンマークのレゴは2014年12月期の決算を発表した。売上高は前期比13%増の286億デンマーク・クローネ(約5100億円)、営業利益は同16%増の97億デンマーク・クローネ(約1700億円)。業績は過去最高益となり、増収増益記録も10期連続に更新した。

 玩具業界トップを快走するレゴの好業績の秘密は、日経ビジネス2015年2月16日号の特集で解説した通り。その中で、今回は同社のイノベーションを支える強力なファンの組織を紹介しよう。

 レゴが世界で400万人強のファンを会員組織で囲い込み、そこから製品開発の新たな知見を引き出す仕組みを持つことは、マーケティング業界では広く知られた事実だ。その概念を端的に表したものが、下の図である。

レゴはイノベーターの先を行く「リードユーザー」を探す

 古典的なマーケティング理論では、新製品を普及させるカギを握るのは、ファンの中でもいち早く新商品に飛びつく「イノベーター」と呼ばれる集団だといわれる。イノベーターは消費者の約2.5%にすぎないとされるが、彼らが市場を動かす“伝道師”となる。

 しかし、レゴは伝道師に接触することに飽きたらず、ファンの中でも突き抜けた存在を巧みに囲い込むことで、社内では生まれない革新的な製品の開発につなげている。この取り組みをスイスのビジネススクール、IMDのビル・フィッシャー教授は、「イノベーターのさらに先を行く、リードユーザーの掘り起こし」と表現する。

 実は、レゴの会員組織の頂点に立つリードユーザーの1人に、日本人がいる。三井淳平氏、27歳。世界で13人目の「レゴ認定プロフェッショナル」と呼ばれるファンの1人だ。自宅とは別にレゴ専用の“工房”を持ち、様々なクライアントからレゴのオブジェなどの制作を請け負っている。

 幼少時代からレゴの魅力にとりつかれ、高校在学中にテレビ東京のバラエティー番組「TVチャンピオン」(現在は終了)の「レゴブロック王選手権」に出場して準優勝。その後、東京大学ではレゴ部を創部し、全国のレゴファンにその名を轟かせた。日本のファンの間からは、“神”と呼ばれることもある。

 2012年に大手鉄鋼メーカーに入社後は、会社員生活の傍らでレゴ活動に勤しんできたが、今年4月に晴れて独立。プロのレゴ職人として、レゴビジネス1本でやっていく。三井氏に、レゴの魅力と同社のユーザーイノベーションの仕組みを聞いた。

三井さんはレゴが世界で13人目のプロのレゴ職人と聞きました。

三井 淳平(みつい・じゅんぺい)氏
1987年4月生まれ、兵庫県出身。幼少時からレゴの虜となり、高校在学中にテレビ東京の「TVチャンピオン」にて「レゴブロック王選手権」に出場。2006年東京大学に入学、「レゴ部」を創部してレゴブロックの普及活動に努める。2012年に大手鉄鋼メーカーに入社、その傍らでレゴブロックを用いた教育活動などに従事。2011年7月には日本人初のレゴ認定プロビルダーに選ばれた。2014年4月からプロのレゴビルダーとして独立予定。(写真:村田 和聡)

三井:現在、レゴには大人のファンを対象に「レゴ認定プロビルダー」という制度があります。これは、レゴブロックを使ってビジネスをすることにレゴがお墨付きを与えている制度で、認定プロはレゴブロックを使って様々なビジネスを展開しています。

 レゴでビジネスすること自体は、レゴの許可は必要ないのですが、その場合は「ブロックを使ったワークショップ」というように、「レゴ」という言葉を公にうたった活動はできません。その点、僕らはレゴからの承認をもらっているので、「レゴブロックを使います」と、堂々とブランドを前面に打ち出すことができます。

世の中へのインパクトが違うわけですね。

三井:私も含め、認定プロの多くはレゴブロックを使ってクライアントに巨大なオブジェを制作したり、独自のアート作品で展示会活動を行ったりして、レゴの啓蒙とビジネスを両立しています。私自身は、このほか、レゴ関連のスマートフォンアプリを開発したり、子供向けにレゴを使ったワークショップなど実施したりしています。

コメント2件コメント/レビュー

「開発チームによるトップユーザの囲い込み」でユーザの未来志向を製品開発に活かしている会社は少なくないはずだ。現に、私の勤めていた会社のPC開発部門は、世界中のトップユーザを旅費や宿泊費まで会社で負担して彼らの意見を集める会議を定期的に開いていた。それは当初うまく機能して、製品の市場での占有率を上げた。然し、PCが幾つかの「部品群(モジュール)」を組み合わせるだけで新製品が簡単に作れる時代になると、市場のニーズを先取りした製品を出しても、あっという間に台湾や中国のメーカーが同じ機能の製品を安く提供してしまうので、勝負にならず最終的にはPC事業から撤退した。レゴも似通ったブロックは多くの会社から出されているが、「できる物」の幅広さでレゴを上回る会社が出てこなかったという事だろう。それこそ、プロのレゴ職人クラスのユーザを多く取り込んでレゴを「凌駕する」製品にしない限り追い越すことは難しいのだろう。この手の玩具は子供だけでなく大人でも十分に楽しめる、という事が重要なファクターになるのだろう。3Dのアプリで、仮想空間上にブロックを使って組み立てが出来るものを提供してもビジネスになるだろう。PC上で出来上がった物にはどのブロックをいくつ使ったかや組み立て手順など第三者が見ても分かるように出来れば完璧!このコメントを読んで、本気でアプリを開発する人が出てこないかな。(2015/03/16)

「LEGO グーグルも憧れる革新力」のバックナンバー

一覧

「ファンの頂点、“レゴの神様”は日本人」の著者

蛯谷敏

蛯谷敏(えびたに・さとし)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション編集を経て、2006年から日経ビジネス記者。2012年9月から2014年3月まで日経ビジネスDigital編集長。2014年4月よりロンドン支局長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「開発チームによるトップユーザの囲い込み」でユーザの未来志向を製品開発に活かしている会社は少なくないはずだ。現に、私の勤めていた会社のPC開発部門は、世界中のトップユーザを旅費や宿泊費まで会社で負担して彼らの意見を集める会議を定期的に開いていた。それは当初うまく機能して、製品の市場での占有率を上げた。然し、PCが幾つかの「部品群(モジュール)」を組み合わせるだけで新製品が簡単に作れる時代になると、市場のニーズを先取りした製品を出しても、あっという間に台湾や中国のメーカーが同じ機能の製品を安く提供してしまうので、勝負にならず最終的にはPC事業から撤退した。レゴも似通ったブロックは多くの会社から出されているが、「できる物」の幅広さでレゴを上回る会社が出てこなかったという事だろう。それこそ、プロのレゴ職人クラスのユーザを多く取り込んでレゴを「凌駕する」製品にしない限り追い越すことは難しいのだろう。この手の玩具は子供だけでなく大人でも十分に楽しめる、という事が重要なファクターになるのだろう。3Dのアプリで、仮想空間上にブロックを使って組み立てが出来るものを提供してもビジネスになるだろう。PC上で出来上がった物にはどのブロックをいくつ使ったかや組み立て手順など第三者が見ても分かるように出来れば完璧!このコメントを読んで、本気でアプリを開発する人が出てこないかな。(2015/03/16)

三井さん、ファンやわー。この人の動画いくつか見たけど、レゴで造った戦艦大和みて感動した覚えがあります。でかいドラえもんつくったら部屋から出せなくなったり、とにかく、その筋には有名な人。(2015/03/16)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

お客様が低価格に慣れてきている。

片岡 優 ジェットスター・ジャパン社長