• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

取材じゃなく“就活”で福島原発に行ったんです

第5回:マンガ家・竜田一人氏

2015年3月12日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「やられた」と感じたジャーナリスト、編集者は相当多かったのではないでしょうか。

 福島第一原子力発電所の収束作業に現場作業員として潜り込み、その実態を自ら体験、そしてその成果を、「マンガ」で世に問う。マンガ週刊誌「モーニング」(講談社)で2013年10月31日号に初めて掲載された『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』は、硬派なテーマを、圧倒的なリアリティにペーソスを絡めて紹介するルポとして人気を集め、昨年4月の単行本第1巻は新人としては異例の15万部スタート。その後も不定期連載を重ねて第2巻が今年2月に発売されました。

『いちえふ』1巻(左)、2巻(右)

 私も編集者の端くれとして、「こんな手があったのか、思いついたヤツは天才だ」と唸りました。こう思う誰しもの頭に浮かぶのは、『自動車絶望工場』(鎌田慧)でありましょう。1973年に出た、トヨタ自動車の本社工場に期間工として働いたジャーナリストによる、工場現場の過酷さを徹底的に批判した潜入ルポです。事態の大きさ、重さを考えれば、『いちえふ』は、それを凌ぐ企画といえる。それを、マンガという、人に説明するのに最適な方法で軽やかにやるなんて…。

 こんな企画を思いついた竜田一人(たつた・かずと、潜入取材のため仮名)さんは、いったいどんな人なんだろう。『いちえふ』を描くまでは(失礼ながら)、売れないマンガ家だったとのこと。3.11でこういう人生の変わり方をした人も珍しい。ご当人は「高給と好奇心とほんのちょっとの義侠心」で現地入りしただけで、マンガにしようとは考えていなかったと他のインタビューではお答えになっているのですが、本当でしょうか? やっかみ半分、好奇心半分で、お話を聞きに行きました。

(聞き手は 山中 浩之)

よろしくお願いいたします。写真…は、もちろんNGなんですよね。ええと、今年50歳になられる?

(以下、画像は全て©竜田一人。拡大画像ではそのページの全コマがご覧頂けます)

竜田:もう50歳になりました。

じゃあ、私と同世代ですね。マンガ家を目指されたのはいつ頃ですか。私と同じようなマンガを読んできたんじゃないかと思うんですが。

竜田:マンガは子供のころから好きで読んでいましたし、小学校のころは「マンガ家になりたい」の気持ちは多少ありましたけどね。好きだったのは、矢口高雄さん。

あ、釣りバカ…

竜田:じゃなくて『釣りキチ三平』。

マンガにも本気になれず、就職しましたが…

失礼しました、ハマちゃんじゃなくて三平君のほうですね。インタビューを読んでいたら、時代劇マンガの平田弘史さんがお好きとか。

竜田:そうですね。平田弘史先生は大学のころですかね。

さすがに小学校から読んでいるわけないですよね。

竜田:小学生があれを読んだらちょっと気持ち悪いですよね(笑)。学生時代に読んで衝撃を受けまして。当時たしか全集が刊行され始めて。貧乏だったんですけど、まあ、無理して買いました。

マンガ研究会とか入りました?

竜田:ちゃんとしたサークルもあったんです。そこは某I先生が出たりする立派なところなんですけど、そういうところではなくて同好会みたいな、全然漫研とは呼べない程度のところで。それもちょこちょこやっていた程度で、本気でこれでプロになれるともあんまり思ってなかったし。でも「なれたらいいな」ぐらいで、たまに新人賞に応募するみたいな。

応募はしていた。今回『いちえふ』を持ち込まれた「モーニング」とかにも?

竜田:モーニングは読んではいましたね。『ああ播磨灘』(さだやす圭)が始まったころ。

ものすごいころじゃないですか。『沈黙の艦隊』(かわぐちかいじ)も同じ時期でしたね。

竜田:「モーニング」にも(新人賞応募に)出したかな、分からないけど、若いころだから。そのころは本当に下手くそだったので。

じゃあ、卒業してから普通に就職されたんですか。

竜田:1回普通の会社に入ったんですよ。新卒で。そこを3カ月か4カ月ぐらいで辞めちゃって。

コメント13件コメント/レビュー

この漫画の存在自体を知りませんでした。面白い記事ですね。外部の報道と内部の現地ではまるで雰囲気が違う事は時々聞いていましたが、漫画だとそれが伝わり易い。
どうも原発問題は視点が一辺倒なマスコミが多かったので、こう言う多角的な論点と問題提起が増える事は良い事だと思います。
一先ず、漫画は買って読んでみたいですね。(2017/03/13 10:25)

「20110311144618.1 あの瞬間とわたし」のバックナンバー

一覧

「取材じゃなく“就活”で福島原発に行ったんです」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

この漫画の存在自体を知りませんでした。面白い記事ですね。外部の報道と内部の現地ではまるで雰囲気が違う事は時々聞いていましたが、漫画だとそれが伝わり易い。
どうも原発問題は視点が一辺倒なマスコミが多かったので、こう言う多角的な論点と問題提起が増える事は良い事だと思います。
一先ず、漫画は買って読んでみたいですね。(2017/03/13 10:25)

原子物理学者は原子炉工学に知見がある訳でもないし、大学院生も同様。廃炉作業という(言い方は悪いが、訓練されればという意味で)中卒でも高卒でも出来る仕事に彼らを投じるヒマがあれば、彼らの研究に専念してもらい日本の原子力の未来を支えてもらいたいものだ。「新聞報道では」誰も政府も東電も信用していないというが、その新聞報道にどれだけのバイアスがかかっているのか。地元の人は除染も廃炉も応援してますよ。(2015/03/16)

ケン月影先生にまでふれますか、Yさん、、(←エロおやじを見つめる視線。) 確かに氏のデッサン力はすばらしいですね。 あじまセンセの失踪の話なんで自分しか知らないと思ってたら、世間は広いですね。 花輪和一先生の獄中の話も面白いですよ。 福島で穏やかな終息が大事な事だと思いますが、反対派の方の原発を止めさえすれば安全みたいな論調にうんざりします。 安全に止める為にどういう道を歩めば良いのか、いちえふから示唆される事が有ると思います。 (結局色々大変なんだけど、と言う事を含め)(2015/03/13)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長