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【小宮隆太郎】「アメリカだって“出る杭”は打つ」

戦後の経済学をリードした、「議論」と「観察」の伝道師

2015年3月11日(水)

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戦後70年となる今年、日経ビジネスオンラインでは特別企画として、戦後のリーダーたちが未来に託す「遺言」を連載していきます。この連載は、日経ビジネス本誌の特集「遺言 日本の未来へ」(2014年12月29日号)の連動企画(毎週水・金曜日掲載)です。

第19回は、経済学者の小宮隆太郎氏。産業政策や日銀のあり方などについて様々な論争を繰り広げ、日本の経済学をリードし続けてきた氏は、「議論」と「観察」の重要性を説きます。

“経済学学”の天敵
小宮隆太郎(こみや・りゅうたろう)
東京大学名誉教授。自身のゼミから、日銀前総裁の白川方明氏、現副総裁の中曽宏氏、元大阪府知事の太田房江氏、元新日本製鉄社長の三村明夫氏などを輩出。実践的な経済学を標榜し、金融政策などを巡って様々な論争に関わる。米スタンフォード大学客員教授、東大経済学部教授などを歴任。1928年11月生まれ。(写真:村田和聡、以下同)

 うーん、「若い人に何か言葉を」とは難しいですね。東大で教えた後は青山学院で教えて、その頃まではある程度、若い人がどういうことを考えているか分かっているつもりではいたんですけどね。80くらいまでですか。でも待てよ、さすがに70代になるとあんまり学生諸君とは親密にならなかったかな。向こうにとっては親より年上ですもんね。果たしてどんなことを話せば有意義になるのか…。

人生の選択に正解なんかない

 1つあるのは、やっぱり「決断しなければ前へ進めない」ということですか。ある時期からは、人は決断を強要されるわけですね。学校を出てどうするか、就職するんだったらどういうところへ就職するか。でも職業選択もそうだし、結婚なんかもそうですけど、人生において、事前にあらゆることが分かっていることなんてないですよね。どれだけ調べても、考えても、どれが正解かなんて分からない。どの選択肢にもリスクがある。でもそんな中でも、誰もが自分で見当を付けて決めなきゃ何も進みません。

 私も結果として大学に残って学者の道を選んだわけですけど、自分がそういうことに向いている確信なんかなかったですよ。何で今の家内と結婚したんだと聞かれても、私は親に反対されたんですけど、反対されるとかえって、ね(笑)。そういうあまのじゃく的なところが自分にはあるので、勢いといえば勢い。

 でもそういうのが人生の選択というもので、自信とまでは言わなくても何とかやっていけるんじゃないかと、見当を付けるしかない。そんな選択をいくつか通らないと、一人前にはなれないんじゃないかと思います。みんな何とか決断して、先へ先へと歩くわけですよね。恐れて立ちすくんではいけない。

コメント5件コメント/レビュー

小宮先生が思われたこと、考えられたことを淡々と語られる声が聞こえてくるような良い記事でした。(2015/03/11)

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「【小宮隆太郎】「アメリカだって“出る杭”は打つ」」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

小宮先生が思われたこと、考えられたことを淡々と語られる声が聞こえてくるような良い記事でした。(2015/03/11)

異文化の人との相互理解には議論が重要だとのお話、とてもためになりました。定番といえば定番ですが、90過ぎの年季の入った方から聞かされるとやはり重みが違う感じを受けます。議論は重要ですが、日本人は日本人同士でさえ阿吽の呼吸と言って議論しないですからね。これが異文化の人となると、話し合う前から話し合いが面倒くさくなるのが見えているわけで。そういうこともあってますます議論しない、ということはあるでしょうね。。奥さんと議論せずに心のすれ違いで熟年離婚というのも根っこは同じなのかも(笑)(2015/03/11)

出る杭が打たれないために、アメリカの企業では「スカンクワーク」(本社が関知しない非公認の開発部隊)が革新的な製品を送りつづけてきたのです。ロッキード社は臭いテントの中で、IBMは廃業したディスカウントストアの中で。(2015/03/11)

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