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就活後ろ倒しの真の意図、それは大学の淘汰だ

元リクルートの常見陽平氏に聞いた、最新の採用事情

2015年3月19日(木)

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 就職活動を取り巻く環境が今年、大きく変化した。経団連が加盟企業に対して採用活動を例年より4カ月後ろ倒しするように要請し、学生だけでなく企業の間にも不安が広がっている。ただ、採用活動の始まりは遅くなったが、企業の採用広報期間は延びた。

 そこで企業の採用事情に詳しい常見陽平氏に、就活の最新事情を聞いた。就活後ろ倒しは下位校にとって不利であり、将来的には大学を職業訓練校に転向させたい政府の意図を感じると常見氏は話す。

(聞き手は坂田亮太郎)

今の就職活動の現状をどのように見ていますか。

常見:歴史的な観点から申し上げると、2015年っていろいろな節目の年なんですよね。例えば、「戦後70年」だし、「昭和90年」でもある。それと1995年から丸20年が経ったという意味もあります。

常見陽平(つねみようへい)氏
評論家・コラムニスト。北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社を経て独立。雇用・労働、キャリア、若者論などをテーマに執筆、講演活動を続ける。2015年4月、千葉商科大学に新設される国際教養学部の専任講師に就任予定。「『就活』と日本社会―平等幻想を超えて」(NHK出版)など著書多数

 ライターの速水健朗さんが「1995年」(ちくま書房)という本を書いていますけど、やっぱり日本社会の何かが変わり始めたのが1995年だと思うんですよ。何せ、地下鉄サリン事件と阪神・淡路大震災が起きた年ですから。

2つの出来事は、今でも鮮明に覚えています。

常見:2つの大事件で語られる1995年ですが、実は日本の世の中でいろいろなことが変わり出した年でもあります。例えば、当時の日経連が「新時代の『日本的経営』」を発表したのも1995年です。

編集部注:日経連(日本経営者団体連盟)は経済4団体(経団連、日商、同友会、日経連)の1つで、その機能から“財界の労務部”と呼ばれていた組織。2002年に旧経団連と統合して、日本経済団体連合会(現在の経団連)となった>

 この「新時代の『日本的経営』」の中で、当時の日経連は、労働者は3種類に分けることができると書いてあります。今までのゼネラリスト型とプロフェッショナル型、そして非正規型です。

ネットで調べてみると、確かに3つに分類していますね。ゼネラリスト型が「長期蓄積能力活用型グループ」、プロフェッショナル型が「高度専門能力活用型グループ」、そして非正規型が「雇用柔軟型グループ」と書いてあります。雇用柔軟型という呼び方が、何とも経営者目線と言いますか、労働者をコストとしか捉えていないような表現ですね。

常見:要は、労働者を、長く同じ会社で働く正社員と、専門職群と、非正規でルーティンワークをやる人の3種類に分けましょうと言うことです。そういう考え方が出てきたのが1995年なんです。

 この日経連のリポートは、産業界には結構大きなインパクトがありました。私は去年、「『できる人』という幻想」(NHK出版新書)という本を出したんですが、その執筆のために平成に入ってからの25年分の入社式の社長訓辞を調べてみました。そうしたら面白いことが分かった。1996年4月から、ある傾向が読み取れたのです。

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「就活後ろ倒しの真の意図、それは大学の淘汰だ」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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