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リー・クアンユー氏の輝き失わぬ言葉たち

シンガポール建国の父が語った「日本への警鐘」

  • 日経ビジネス編集部

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2015年3月24日(火)

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「建国の父」とも呼ばれるシンガポールのリー・クアンユー元首相が3月23日、91歳で死去した。独立以来、国家をゼロから築き上げ、東南アジア随一の豊かさを育んだ稀代のリーダーは、かつて日経ビジネスのインタビューに応じている。そこで語られた日本への「警鐘」は、今なお、色あせることがない。

(1999年7月12日号より転載)

日本の誤りは、市場原理に基づいた資源配分に失敗したからと指摘。英語がベースのインターネット普及で米国の優位はさらに続くとも。一方で、アジア的価値観の崩壊については強く否定。貯蓄に励み人間関係を重視する儒教的価値観への信頼は崩さない。

(聞き手は本誌編集長、小林 収)

国際市場に開かれていなかった日本

リー・クアンユー(lee kwan yew、李 光耀)
1923年9月 シンガポール生まれ、75歳、49年 ケンブリッジ大学大学院卒業
54年 人民行動党を設立し書記長に就任
65年 マレーシアからのシンガポール独立でシンガポール首相に就任
90年 首相を辞任し上級相に就任

欧米とは一線を画す「アジア的価値観」を重視する東南アジアのオピニオンリーダー。首相辞任後も事実上の「国父」として指導力を発揮している。(写真:清水 盟貴、以下同)

 アジアには日本を経済発展のモデルにしてきた国が多かったと思います。ところが現在、日本は10年にも及ぶ深刻な不況を経験して、国民、政府とも自信喪失状態にあります。モデルとしての日本の価値は果たして残っているのでしょうか。

 確かに日本はバブルが崩壊して以来、停滞しています。何がいけなかったのかを考えると、日本の文化というより日本のシステムの問題だと思います。つまり、日本が国際市場に向かって十分に開かれていなかったということです。

 部分的には市場開放しましたが、一方で特定の製品に輸出ドライブをかけました。最初は繊維製品で、次に石油化学製品、船、鉄鋼そして自動車、エレクトロニクスといった具合です。その結果、日本はある分野では極めて生産性の高い国になり、大きなシェアを獲得しましたが、同時に過剰設備を抱え込むようになったわけです。国内市場が保護されており、資源配分が市場からのシグナルに従ってなされなかったために、その配分を間違えてしまったと言えます。

 日本車の品質には何の問題もありません。日本製の半導体やコンピューターの品質にも問題はないのです。問題なのは過剰投資とそれを招いた日本のシステムです。シェア一本槍で利益を無視して長期的にやっていくことは無理なのです。韓国も同じ誤りを犯しました。アジアが得た教訓は、資源の配分を間違えるな、ということです。

過剰投資とシステムに問題。
重要なのは市場からのシグナルを見逃さないこと

 日本の場合、官主導が長く続きすぎたということですか。

 そうです。日本人はたくさん貯蓄し、そのお金を通産省や大蔵省が「日本の得意分野」だと見なすセクターの輸出企業に優先的に回しました。追いつき追い越せの時期には、この日本のモデルは良かった。しかし、いったん追いついた後は、市場のシグナルに従って決めなければならない。役所が未来を予測して、それによって決めてはいけないのです。

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