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「人間の脳を作るのは簡単だ」

セバスチャン・スラン氏に聞くAIと労働者の未来(下)

2015年3月31日(火)

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 詳細を話すことはもちろんできないが、グーグルXで実行中のプロジェクトは真に独創的だ。(メガネ型端末の)グーグルグラスの先行きには様々な意見があるが、事業化に向けて動き出している自動運転車をはじめ、例え成功が5つに1つとしてもグーグルを100年企業に変える“ゲームチャンジャー”になるだろう。ゼネラル・エレクトリック(GE)のような優れた企業も過去に何度も自らを「再発明」してきた。今は苦しんでいるが、ソニーやIBMなどもかつてはそうした会社だった。

「自動運転は実現可能か」は考えない

グーグルXは未来を予測して、その変化に備えるための組織なのか。

スラン氏:我々は未来を「発明」しようとしていた。それ以外の何者でもない。

 技術者が未来を“証明”する方法は、実際に作ってみせることだ。私自身、「自動運転車が可能かどうか」を抽象論で考えたことはない。とにかく最高のメンバーを集め、作ってみようと。それでできれば自動運転車は実現可能ということだし、できなければ実現不可能ということだ。幸い、私はその答えがどちらであるかについて大きな確信を持つことができていた。なぜなら我々は世界最高の人材を集めることができていたし、最高の人材が集まれば実現できる可能性の方が高いからだ。もちろん、私自身、世界最高の研究者ではないし、間違っている可能性もある。しかし、少なくとも全力は尽くした。

 例えばグーグルXには、医療用コンタクトレンズを開発するチームの中に、大半のがんを治すことを目指したプロジェクトが存在する。成層圏に気球を打ち上げてインターネット接続のインフラにする計画も進んでいる。こうしたプロジェクトには当然多くのリスクがあり、最初から成功する保証があるわけではない。ただ私は、優れた人材を集め、イノベーションに挑戦する自由を与え、全力を注ぎ、かつ学ぶ姿勢をいとわなければ、最後には頂上にたどり着けると考えている。これはシリコンバレーに共通する信念でもある。

自動運転の開発を脅威ととらえるメーカーもある。もし日本の自動車メーカーで勤めていたら、何に取り組むか。

スラン氏:間違いなく自動運転車を開発するだろう。もちろん、人間が車を運転することには、スポーツカーのように趣味としての価値はある。しかし日常の移動手段としては、自動運転は現時点で既に目を見張るべき技術だ。飛行機に乗って海を飛び越えるのが素晴らしい体験であるのと同じように、自動運転車に5分でも乗れば、自分で運転するよりいかに素晴らしいかが分かるだろう。

 グーグルの自動運転車は100万km以上を走って一度も事故を起こしておらず、技術レベルは非常に成熟している。例えばサンフランシスコでは、悪天候の時に民間の飛行機を人の操縦で着陸させることは許されていない。コンピューターの方が人間のパイロットよりはるかに安全であることを航空当局が知っているからだ。交通事故の犠牲者が世界で年間100万人にのぼることを考えれば、クルマでもいずれ自動運転が義務化されることになるだろう。経営者としてこの技術を無視するのは間違いだ。

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「「人間の脳を作るのは簡単だ」」の著者

田中 深一郎

田中 深一郎(たなか・しんいちろう)

日経ビジネス記者

日経新聞科学技術部、証券部を経て、2012年4月より日経ビジネス記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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