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「同一労働、同一賃金、そりゃ無理だ」って、イケアでも言われました。

イケア・ジャパン 泉川玲香さん 第1回

2015年4月3日(金)

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 「女性活用」は、人事制度の改革ともワンセットです。その「女性活用」を長く阻んでいたのが、ほかならぬ日本型の終身雇用、年功序列でした。

 しかし今は、女性・男性を問わず、ずっと同じ会社で同じように働き続ける保証がない時代に突入しています。そんな中、新たな人事制度のキーワードとして浮上してきたのが「同一労働、 同一賃金」。

 その先端を行くイケア・ジャパンでカントリーHRマネージャーを務める泉川玲香さんからお話を聞いていきます。泉川さんのパワフルな開拓者スピリッツとともにどうぞ!

泉川玲香(いずみかわ・れいか)
大学卒業後、放送局にアナウンサーとして勤務。英国留学を経て、英会話学校の運営会社に入社。M&A業務で台湾、英国、スペインなどに滞在する。その後、外資系シネマ会社に転職し、日本初のシネマコンプレックスの立ち上げに参加。英国系シネマ会社に転職後は、人事総務部長として勤務。2004年、イケア・ジャパンの第一号店「IKEA船橋」にストアHRマネージャーとして招じられる。06年、イケア・ジャパンカントリーHRマネージャーを経て、08年、「IKEA新三郷」のストアマネージャー(店長)に就任。12年、カントリーHRマネージャーに戻り、イケア・ジャパンにおける人事制度改革の指揮を取る。(写真:鈴木 愛子、以下同)

「イケア」は店舗の面白さもさることながら、北欧発の斬新な経営と人事の手法で有名です。その日本法人「イケア・ジャパン」でカントリーHR(ヒューマン・リソース=人事)マネージャーを務める泉川玲香さんは、昨年、バージョンアップした人事制度改正の指揮を執りました。
 キーワードは「同一労働、同一賃金」。ここに、非常に興味を惹かれます。

泉川:新しい人事制度は、2014年9月から運用が始まりました。いちばんの焦点は、今おっしゃった通り、「同一労働、同一賃金」の概念を明文化したことです。新制度では正社員、パートタイマーの別なく、すべての雇用者を対象に「同一労働、同一賃金」を適用し、有期から無期への雇用と、同じ福利厚生制度を提供するように変えました。

あの、今、簡潔に言われましたが、それは革新的なことだと思います。

経営が求めた「同一」の人事制度

正社員、派遣社員、パートタイマーといった雇用形態が「身分」として固定化して、「能力」ではない理由で、賃金、雇用期間、福利厚生に格差が生まれ、そのしわ寄せを受け続けてきたのが女性でした。

泉川:(実行できた理由は)イケアという会社が「キャリア・オポチュニティー」という考え方を大事にしていることが大きいですね。

キャリア・オポチュニティーとは、つまり「経験を積む機会」ですか。

泉川:価値観が多様な今の時代、人生のあり方も、一直線に会社勤めをして生きていく、というわけではなくなっていますよね。男女を問わず、途中に子供を持ったり、介護をしたり、あるいは勉強をしに学校に戻ったりと、いろいろな事情や場面が、予測のつかない時に起こっていきます。

 どのライフステージにいるかによって、めいっぱい仕事をして上り詰めていきたい時もあれば、別のことに力を配分したい時もある。でも、従来型の終身雇用、年功序列では、そういう現状に対応していけないんです。

ということは、人事改革は福利厚生の観点からですか。

泉川:いえ、最初にはっきり申し上げると、経営の観点からです。

コメント3件コメント/レビュー

定型的、標準化し易い労働内容なら導入できるでしょうが、全ての企業が採用するのは難しいでしょうね。同一労働同一賃金は年功序列、終身雇用制を前提としません。結果的に雇用の流動化を生み出し、従業員の出入りが頻繁になります。企業のノウハウは組織に宿ると思いがちですが、実は社員個人に身についたものの総体です。新しい人材が入ってくるだけなら良いですが、出ていくこともある、その苦い経験はリーマンショックでリストラされた技術者が競争相手に移籍し日本のメーカーは痛手を受けました。雇用の流動化とはそういう両刃の剣です。もともと年功序列、終身雇用制は若いときの給料は安く歳を取って取り戻す制度、だから定着率が良いのです。企業の人材戦略から見た場合、どちらが適しているかは市場におけるポジションなど総合的に考えることが大切だと思います。(2015/04/03)

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「「同一労働、同一賃金、そりゃ無理だ」って、イケアでも言われました。」の著者

清野 由美

清野 由美(きよの・ゆみ)

ジャーナリスト

1960年生まれ。82年東京女子大学卒業後、草思社編集部勤務、英国留学を経て、トレンド情報誌創刊に参加。「世界を股にかけた地を這う取材」の経験を積み、91年にフリーランスに転じる。2017年、慶應義塾大学SDM研究科修士課程修了。英ケンブリッジ大学客員研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

定型的、標準化し易い労働内容なら導入できるでしょうが、全ての企業が採用するのは難しいでしょうね。同一労働同一賃金は年功序列、終身雇用制を前提としません。結果的に雇用の流動化を生み出し、従業員の出入りが頻繁になります。企業のノウハウは組織に宿ると思いがちですが、実は社員個人に身についたものの総体です。新しい人材が入ってくるだけなら良いですが、出ていくこともある、その苦い経験はリーマンショックでリストラされた技術者が競争相手に移籍し日本のメーカーは痛手を受けました。雇用の流動化とはそういう両刃の剣です。もともと年功序列、終身雇用制は若いときの給料は安く歳を取って取り戻す制度、だから定着率が良いのです。企業の人材戦略から見た場合、どちらが適しているかは市場におけるポジションなど総合的に考えることが大切だと思います。(2015/04/03)

ドリーマーと現実を見ることとが両立すると、現実を変えられるのだと感じました。ありがとうございます。(2015/04/03)

タイトルを見て、「それは違う!」と思い記事を読んでみた。「同一労働、同一賃金」を「同じ職種で同じ賃金」と勘違いしているのではないかと思ったからだ。読み進んで、「同一労働」とは同じ成果(パーフォーマンス)と解していると知り、納得した。私が定年退職する直前の3年間を過ごした部署では、「よく働く人」はその多くが派遣社員や契約社員で、社員たちは彼らに仕事の指図だけして、自分では何もせずに定時になるとさっさと帰宅してしまう、と残業時間中に派遣社員同士が話しているのが耳に入った。「不公平」だと不満な様子だったが、彼らの残業には残業代は付いていた。彼らは基本給が少ない分、収入を少しでも増やす為に残業は積極的にやっていた。社員では課長以上は残業代が払われないにも拘らず、ほとんど全員が毎日の様に残業していた。一般職と係長までの社員は私生活をエンジョイし、派遣や契約社員と役職者が「仕事」をしている様に見えた。契約社員は、出来が良い場合、正社員に採用される事があるのだが、社員になった途端に「定時帰宅」するように変わったのを見て驚いたことがある。こういう状況を知る人なら、「同一労働、同一賃金」は納得がいくと思うし、不況時に契約解除し易い派遣社員は社員以上に払っても良いと思う。所謂「ハイリスク、ハイリターン」と同じ考え方だ。「入社試験」という瞬間的な能力測定で、その後の処遇方法が決まってしまう人事制度は生産性が上がらない。「同一労働、同一賃金」という表現よりも、「能力給」がシンプルで分かり易いのではないかと思う。(2015/04/03)

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