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【細川護熙】「国も国民も『足るを知れ』」

55年体制を崩した「殿」が夢見た「質実国家」

2015年4月3日(金)

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戦後70年となる今年、日経ビジネスオンラインでは特別企画として、戦後のリーダーたちが未来に託す「遺言」を連載していきます。この連載は、日経ビジネス本誌の特集「遺言 日本の未来へ」(2014年12月29日号)の連動企画です。

第25回は、細川護熙氏。1993年8月に内閣総理大臣に就任して、いわゆる「55年体制」が崩れるきっかけをつくった細川氏は、日本は「大」ではなく「中」日本主義を目指すべきだと話す。

55年体制崩し改革を夢見た「殿」
細川護熙(ほそかわ・もりひろ) 日本新党代表だった1993年8月に内閣総理大臣に就任。いわゆる「55年体制」が崩れ、日本の政治体制が大きく変わる契機となった。衆院選挙制度に小選挙区比例代表並立制を導入。高い支持率を誇ったものの翌年4月に退陣。60歳で政界引退後、神奈川県湯河原町の私邸にて作陶、書、水墨画などを手がける。現在は襖絵制作を中心に活動。2014年に「脱原発」を掲げ東京都知事選挙に出馬するも落選。現在は自然エネルギー推進会議の代表理事などを務める。肥後細川家第18代当主。元朝日新聞記者、元熊本県知事。1938年1月生まれ。(写真:千倉志野、以下同)

 私は総理大臣や知事をやりましたけれども、人の登用については基本的な信条があるんです。一番大事なことは、「退を好む者」を重用するということです。『呻吟語』という、中国の呂新吾という人が書いた名著があるんですけど、その中に「人を挙ぐるにはすべからく退を好む者を挙ぐべし」と出てきます。これなんですよね。

 政務次官になりたいとか、大臣になりたいとか、そういう方が世間には大変多いわけですけど、物欲しそうな顔をしている人は大体だめですね。そうではなくて、権力やポストに恬淡としていて、自分はいつでも退くと。そんなもの就きたくないというぐらいの人がいいんです。

 総理の時、田中秀征を総理特別補佐にお願いしたんですけれども、彼なんかそういう人ですからね。後に大臣にもなりましたけど、本人としてはまったくそのポストに就きたいとか、そういうのはなかった。やっぱりそういう人でないと、国家の大事は語り合えないですよ。結局、総理の時に腹を割って本心を話せたのは彼ぐらいでしたね。

物欲しそうな人は信用できない

 物欲しそうな人は、信用できません。会社でもそうでしょう?

 例えば石川島播磨重工業(現IHI)の社長をし、東芝の社長をし、経団連の会長にもなられた土光敏夫さん。お宅には何度か伺いましたが、川崎の下町の30坪ぐらいの家でね。初めて行った時は探し当てるのが大変でした。経団連会長が財界総理と呼ばれて、今よりもはるかに権威のある時でしたから、私はてっきり豪邸に住んでいるものと思ってましたが、それがもう普通の、どちらかと言えば古い小ぢんまりとした家でね。

 「メザシの土光」という異名がありましたけど、6畳くらいの台所兼食卓の部屋で、本当にメザシをごちそうになりました(笑)。給料も「自分は10万円あれば足りるから」と言って、残りは全部、母上が開かれた学校に寄付されていたんですね。さすがに高齢なので秘書の方が迎えには来てたみたいですけど、通勤も黒塗りの車ではなく、電車。そういう清貧な生活をされていたからこそ、政府の行政改革を牽引できたんだと私は思います。やっぱりトップが身をもってそういう姿勢を示さないと、説得力がありませんからね。

コメント61件コメント/レビュー

『欲望は社会発展の原動力』と定義する自由資本主義が破綻しつつある事は地球二個分の資源を消費しながら17秒に一人の餓死者を生む現状を見ても明らかです。この観点から見れば現在、為政者が向わなくてはならない方向は『持てる者から持たざる者への富の再配分』でありその説得手段として『豊かな者は足るを知れ』となるのでしょう。今回の記事にも明確ですが氏の言動は『日本の生産性を支えている底辺の国民への尊敬の欠如』でありその裏返しの『authority信仰』であり結局はどこにも『自分』が見出せません。在職当時に国連の常任理事国入りを果たせていれば日本は世界に対してもっと貢献できていた筈でした。権力を求める事が悪と決め付けるのでは無く、要は『公正な価値観』を行使する手段と考えるべきではなかったでしょうか。(2015/04/15)

「戦後70年特別企画 遺言 日本の未来へ」のバックナンバー

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「【細川護熙】「国も国民も『足るを知れ』」」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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『欲望は社会発展の原動力』と定義する自由資本主義が破綻しつつある事は地球二個分の資源を消費しながら17秒に一人の餓死者を生む現状を見ても明らかです。この観点から見れば現在、為政者が向わなくてはならない方向は『持てる者から持たざる者への富の再配分』でありその説得手段として『豊かな者は足るを知れ』となるのでしょう。今回の記事にも明確ですが氏の言動は『日本の生産性を支えている底辺の国民への尊敬の欠如』でありその裏返しの『authority信仰』であり結局はどこにも『自分』が見出せません。在職当時に国連の常任理事国入りを果たせていれば日本は世界に対してもっと貢献できていた筈でした。権力を求める事が悪と決め付けるのでは無く、要は『公正な価値観』を行使する手段と考えるべきではなかったでしょうか。(2015/04/15)

トルーマンは日本に原爆を落とす決断をされた方ですので名前をきくのも嫌です。(2015/04/09)

基本的な教養を著しく欠いた人間による、乱暴かつアナーキーな空論・暴論とお見受けしました。結局、カネも地位も得たけど、何もすることがなくひたすらヒマなので「足るを知る」などと言い出す。年をとったら尊敬されなくてもいいから、せめて馬鹿にされたくはないですね。こういう年の取り方をしたら惨めだよという意味で、とても参考になりました。(2015/04/07)

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