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道路掃除でダメなら「森のお掃除」

第10回:産廃会社がホタルを育てる理由

2015年4月20日(月)

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経済産業省の「おもてなし経営企業選」に選ばれた産業廃棄物処理会社、石坂産業。小学生などの工場見学が絶えない。今でこそ地域密着経営で成功しているが、かつて地元との関係は最悪だった。「環境汚染の発生源」という批判を封じるために、敷地内でホタルを育て、地域の清掃ボランティアに乗り出したが、なかなか効果が上がらない。突破口を開いたキーワードは「里山保全」と「生物多様性」。いかにして、この切り口を発見したのか。2代目経営者の石坂典子社長が勉強に明け暮れた日々を振り返る。(前回の記事はこちら

本社の敷地内の「花木園」でホタルを育てている

 私たち石坂産業は、ホタルを育てています。

 産業廃棄物処理会社が敷地内でホタルを育成し、地域の子どもたちの環境教育に役立てている。そう説明すれば、皆さん、驚きながら褒めてくださいます。

 けれど私のなかには一抹のほろ苦さもあります。最初にホタルの育成に乗り出したころの自分を振り返ると、経営者としてまだまだ未熟だったかもしれません。

 「花木園」と名付けた公園を、産廃処理プラントのすぐ脇という場所をあえて選んでつくり、熊谷組さんが開発した「ホタルビオトープ」のユニットを入れたのは、社長に就任して間もないころのことでした。狙いは、ズバリこうです。

 無実を証明したい。

「地域に愛される産廃会社」を目指し、悪戦苦闘した(写真:鈴木愛子)

 私たちが産廃会社というだけで、「環境汚染の発生源」だと悪者呼ばわりしていた地域の人たちの批判を封じ込めたかった。いくら「ホタルビオトープ」のユニットを入れても、周囲の環境が悪ければ、ホタルは育ちません。きちんとホタルを育ててみせて「ほら、見てください。ホタルが育つのに、環境が汚染されているなんてこと、あるわけないじゃないですか」「やっぱり私たちは無実でしょ」と、主張したかった。

 果たしてホタルは、すぐ育ちました。

「ほら見て! 聞いて!」。私の心は浮き立ちました。

 ところが、地域の人たちの反応は鈍かった。

「勝利宣言」では、共感は得られない

「ホタルが育った」という「事実」を振りかざして、勝利を宣言するのでは、閉ざされきっていた地域住民の心を開くことはできませんでした。私たちが育てたホタルが、地域の人たちの「いいね!」を勝ち取るには、さらに長く、地道な取り組みが必要でした。私には経営者として、より深く、広い見識が求められていました。

 突破口を開く手がかりは、ボランティアで始めたゴミ拾いにありました。

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「道路掃除でダメなら「森のお掃除」」の著者

石坂 典子

石坂 典子(いしざか・のりこ)

石坂産業社長

1972年東京都生まれ。高校卒業後、米国への短期留学を経て、父親が創業した石坂産業に入社。2002年社長就任。現在、2児の母。13年、同社は経済産業省の「おもてなし経営企業選」に選ばれた

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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