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ドイツ人が午後5時で仕事を終える理由

独ローランド・ベルガー創業者、ローランド・ベルガー氏に聞く

2015年5月18日(月)

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日本では今後、人口減少が急速に進んでいく。少子高齢・人口減少社会の中、不採算事業に配分している資源を成長分野に移し替え、個々人の生産性を高め、かつすべての働く者が家庭の責務を果たせるような仕組みづくりが急務だ。一足先に働き方改革が進められたドイツでは、優秀な職業人ほど午後5時に仕事を終えるという話も聞く。そうした社会のムードは、どのようにしてつくられていったのか。ドイツの戦略コンサルティング会社、ローランド・ベルガーの創業者、ローランド・ベルガー氏に聞いた。(聞き手は広野彩子)

ベルガーさんは定期的に来日しています。今回の来日で面談した日本の経営者の景況感はどうでしたか。

ベルガー:今回は大企業の幹部5人ほどとお会いしましたが、景況感はよかったです。少なくともいずれの企業も増収増益でした。ただ、多くはアベノミクスによる円安のおかげです。

株価も一時、2000年以来の最高値を記録しました。

ベルガー:訪問した会社はいずれも好業績でしたが、もし構造的な固定コストがかさまなければ、売り上げはさらに上昇し、利益も大幅に増えていたことでしょう。それもあって楽観ムードだったのでしょう。

改革すれば、日本社会はもっと柔軟に

 しかし忘れてならないのは、為替相場が1ドル=ゼロ円になることはないということです。本当の構造改革が始まれば、多くの伝統的なビジネスに影響し、厳しい改革が必要となり、祭りが終わることでしょう。

ローランド・ベルガー(Roland Berger)氏
独ローランド・ベルガー創業者・名誉会長。米系コンサルティング会社のパートナーを経て1967年にドイツでローランド・ベルガーを創立。2003年から同社会長、2010年から現職。独ルードビッヒマクシミリアン経営大学院でMBA(経営学修士)取得。欧州委員会や域内国家における政府専門委員などを歴任。(写真=陶山勉、以下同)

企業には厳しい構造改革が必要ということですか。

ベルガー:構造改革が断行されれば、日本の社会構造はもっと柔軟になります。まず、自動車業界を除く多くの日本企業は、今でも事業を多角化し過ぎています。

 多角化で始めた事業の多くが、低収益です。きちんと低収益なビジネスを畳んで、中核的なビジネスに集中すべきでしょう。まずは「自社の要は何か」を再定義することです。成長が見込め、収益性が高く、かつ企業文化や企業体質になじみ、これまでのノウハウが生かせ、市場で強みを発揮できるものは、何か。

 不採算事業を完全にやめることができないのなら、少なくとも休止にすべきです。何らかの行動を起こさなければなりません。不採算事業に補助金を与え続けるわけにはいかないのです。

 日本企業は伝統的に、環境の変化に応じた思い切った事業リストラや経営の方向転換に不慣れですし、従業員の雇用を守ることを大切にする傾向があります。余剰人員が生まれて米国企業なら解雇で調整する場面であっても、日本企業は雇用整理を避けることが多い。

 雇用整理までいかなくとも、長く勤め続けた余剰人員に対して厳しい対処をすること自体が、日本人の気質には合わないかもしれません。日本のマネジメントスタイルは米国とは違いますからね。日本人にとって、従業員に厳しい処遇をすることは、政治的にも正しくないと思えるのかもしれません。

 しかし、ビジネスはビジネスです。無理に自分たちが目の前の同僚の雇用を守らなくても、もっと高収益な企業や事業に転じた方が、最終的には該当する従業員にとっても幸せかもしれない。

コメント26件コメント/レビュー

ワーク・ライフ・バランスという言葉をよく耳にする今でも残業がなかなか減らないのは、効率とか生産性云々以前に、残業代込みでなければ結婚生活が送れないような給与体系になっている会社が少なくないからではないでしょうか?(2015/09/29 10:37)

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「ドイツ人が午後5時で仕事を終える理由」の著者

広野 彩子

広野 彩子(ひろの・あやこ)

日本経済新聞社NAR編集部次長

朝日新聞記者を経て日経ビジネス記者、2013年から日経ビジネス副編集長。日経ビジネスオンラインでコラムの執筆・編集を担当。入山章栄氏の著作『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』を担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ワーク・ライフ・バランスという言葉をよく耳にする今でも残業がなかなか減らないのは、効率とか生産性云々以前に、残業代込みでなければ結婚生活が送れないような給与体系になっている会社が少なくないからではないでしょうか?(2015/09/29 10:37)

単に,狩猟民族と農耕民族の差なのではないでしょうか?公私の区別なく,だらだらやるのが日本式.まさに農耕的ではないですか.かつては,それが最高の働き方と言われたのではなかったでしょうか?
10時間を,5時間集中して働き,5時間遊んで使っても,10時間,半分遊びながら使っても,トータルでは同じはずです.それは,前者の方が時間あたりの生産性は高くなるでしょうが,トータルでは同じであることを忘れた議論ではないでしょうか.(2015/09/27 15:17)

「会社に長時間いて働くのがカッコイイと見なす」は10年以上前の日本の会社文化かと思っていたが、今でもそうなんだろうか?私自身は6年前に定年退職したので現状が分からないが、退職する頃でも若い世代は定時に近い時刻に退社していたと思う。多分個々の会社で違うのだと思うが、経営者が社員に向かって「残業の多い社員は能力が低いと評価する。」と言い続ければ、1年以内に社員の考え方は変わると思う。但し、言うだけで無く、個別の評価をする場合に「居残り」が目立つ社員をマイナス評価しなければ意味はない。長い時間働く事は、結果として「集中していない」ダラダラした時間の比率が上がるだけだと経営者自身が感じ無くてはいけない。政治の観点からは、前から主張している事だが、残業手当に対しては手当と同額の特別税を課す方法が良い。「サービス残業」は摘発したら対象の時間分の手当の2倍の税金を課す。職場の長は定時になったら片付けて社員を帰宅させ自身で消灯する様にするのが良いだろう。たったこれだけの事で「ダラダラ残業」はほぼゼロに出来る。(2015/05/25)

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