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気象予報士が引く手あまたに?

日本の温暖化対策・新目標「26%削減」を読む

  • 相馬 隆宏

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2015年5月27日(水)

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 今年4月30日、政府は2030年度に温暖化ガス排出量を2013年度比26%削減する目標案を公表した。この6月にドイツで開かれるG7サミット(主要国首脳会議)で、安倍晋三首相がこれを表明する見通しだ。

 EU(欧州連合)や米国、中国といった温暖化ガスの排出量が多い国・地域が先行して削減目標を示す中、日本の目標は国際的に受け入れられるのか。産業界にどんな影響を与えるのか――。

 気候変動問題に詳しい世界自然保護基金(WWF)ジャパン自然保護室 室次長 兼 気候変動・エネルギープロジェクトリーダーの小西雅子氏に聞いた。

(聞き手は相馬 隆宏)

小西雅子(こにし・まさこ)氏
世界自然保護基金(WWF)ジャパン自然保護室 室次長 兼 気候変動・エネルギープロジェクトリーダー。日本気象予報士会 副会長。ハーバード大環境政策学修士。中部日本放送などを経て、2005年にWWFジャパン入局。気候変動とエネルギーの国際交渉と政策提言に従事する。『地球温暖化の最前線(岩波ジュニア新書)』など著書多数。

「26%削減」という政府が掲げた温暖化ガス削減の新たな目標案は産業界にどう影響しますか。

小西:日本企業にとってビジネスチャンスを失いかねない目標案です。この案の前提となる電源構成では、再生可能エネルギーが22~24%。日本のポテンシャルからすると、再エネの導入量をもっと伸ばせるはずです。

 電源構成の内訳を見ると、例えば太陽光は7%を占めます。設備容量で表すと約6400万kWです。再エネ電力の固定価格買い取り制度で認定済みの太陽光発電設備の容量は合計約8000万kW。認定済みの設備がすべて稼働するだけで、6400万kWの目標は達成できてしまいます。

 太陽光発電の先進国として知られるドイツと比べて日本は日射量が多く、条件に恵まれています。もっと太陽光を伸ばせるにもかかわらず、これ以上伸びしろを見込んでいない目標になっているのです。

中国をはじめ、世界では風力発電の導入が盛んです。

小西:前述の電源構成では、風力が1.7%となっています。発電容量にして約1000万kW。現在、日本で稼働している風力発電設備の容量は合計約270万kWです。これから建設する予定で、建設地周辺の環境などへの影響を調べる環境アセスを開始しているものが520万kWあります。合わせると800万kW弱になるので、もうそんなに増やさなくても目標を達成できてしまいます。

 今後、原子力に頼れないことや、化石燃料の使用を抑えていかなければならないことからも、再エネの導入を加速させる必要がある。それなのに、今回の目標案は再エネを増やすどころかむしろ抑制する目標にすら見えます。

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