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失敗した時のために勉強はある

『夢をかなえる勉強法』伊藤真著(サンマーク出版)

  • 川嶋 諭

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2006年6月6日(火)

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伊藤真(いとう・まこと)氏
1958年東京生まれ。81年東京大学法学部在学中に司法試験合格。その後、受験指導を始めたところ人気講師となり、95年「伊藤真の司法試験塾(現伊藤塾)」を開設。「伊藤メソッド」と呼ばれる勉強法を導入して、司法試験短期合格者の輩出数全国トップクラスを毎年続けている。

 この種類のお勉強本を手に取るには、しっかりした動機がいる。それなしに読み続けるのは辛い。著者の自慢に嫌悪感すら覚えるからである。この本も初めはすぐ書棚に返すつもりでページをめくっていた。

 しかし、司法試験のための予備校である著者が経営する塾、伊藤塾に学びに来る中高年が、せっかく勉強法を教えてもそれに従おうとせず、効果が上がらないという話に目が行き、真剣に目を通し始めたら、つい意地になって最後まで読み進めるはめになった。

 その記述は、以下のような内容だった。中高年の塾生たちは、自分の学んできた歴史が邪魔をするのだろう、若い講師の言うことをあまり信用せず、自分流の方法にこだわってしまう。しかし、20代のほかの塾生よりたかだか20~30年長生きしているだけで、世の中分かったような気になるのはいかがなものだろうか。謙虚さを忘れているのではないか、と著者は断言している。

 確かに年を取ると謙虚さを失いがちだが、全員がそうではあるまい。それに「私の言うことを全部信じろ」と言われても、盲信する人ばかりだったら、それこそ日本は大変なことになってしまうではないか。

 そう私は思うのだが、この本の著者には、勉強法に絶対の自信があって、伊藤塾は司法試験の短期合格者数が毎年トップクラスという実績がある。「カリスマ塾長」との異名もあるという。

 それほど自信のある勉強法とはいかなるものか。お手並み拝見というつもりで本を読み続けていった。

 どうせ「ああしろ、こうしろ」という技術的なことの羅列と、普通の人なら3日であきらめてしまいそうな厳しい自己規律を求める手法が書いてあるのかと思ったら、意外にそうではなかった。

 例えば、「自分が合格した時点を想像して合格体験記を書いてみる」とか、「自分を励ます言葉や自分の長所を書いておく」といった、初めは抵抗があるがやってみると意外に効果を発揮する方法が、一つひとつ著者の体験を基に書かれていて、納得させられた。

 著者は東京大学法学部に現役で合格して、東大在学中に司法試験に合格したいわゆる秀才だが、本に書かれている内容の大半が、著者の失敗や恐怖体験の中から生まれたものであるために、こうした本にありがちないやらしさをそれほど感じない。ただし、さすがに超人的な勉強をしてきたのだと感心させられることがいくつもあった。

 著者は、勉強とは試験に通るためにあるのではなく、むしろ失敗した時に勉強して本当に良かったと思えることだと結論づけている。精いっぱい勉強したことが、たとえ試験に失敗してもその後の人生にプラスとなる勉強をしなければならないと言う。そして、試験に受かるためだけの勉強法は全く意味がないと断言する。

 そういう意味で、この本は受験対策のためのいわゆる“お受験本”ではない。勉強法を説いているのだが、実は受験本とは正反対の主張をしていて小気味良さを感じる。

 司法試験だけでなく、中学や高校、大学の受験生とその親が読んでも、結構参考になるのではないだろうか。

 なぜ著者はこのような勉強法を編み出すに至ったか。それは以下の著者インタビューをお読みいただきたい。

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