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地球の自転を見に来られたし---フーコーの振り子と天文学の曙

『フーコーの振り子 科学を勝利に導いた世紀の大実験』 アミール・アクゼル著 水谷淳訳 早川書房刊 1800円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2006年6月30日(金)

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『フーコーの振り子 科学を勝利に導いた世紀の大実験』

 本書の主人公レオン・フーコーは地下室で音もなく揺れる振り子に夢中になっていた。19世紀半ば、1851年1月6日午前2時に彼の作った振り子がゆっくりと揺れ始めた。振り子を凝視するフーコー。そしてフーコーは確認した。振り子が揺れる面が最初の位置からゆっくりと、しかし確実にずれていくことを。その現象は地球が自転していることの確たる証明だった。

 市井の名前も知られていない、ちょっと趣味的な人物が作り上げた自転を見るための振り子の実験装置は、自転の実験的証明を求めてさんざん苦心してきたフランスの物理学会、数学会を出し抜くものだった。

 19世紀中葉、フランスは激動の時代を迎えていた。たまたまフーコーの実験が行われた時はルイ・ナポレオンが共和国大統領(やがて第2帝政となる)に就任していた。この大統領は名前からも分かるように、ナポレオン・ボナパルトの後を継ぐと見なされ、それを自ら公言すらしていた。そして科学の信奉者でもあった。大統領はフーコーの振り子実験を聞いて、当時パリで最大の建物だったパンテオンで振り子実験をしてみよ、とのたまった。

 フーコーはそれを受けて、長さ67メートル、重さ28キログラムの重りを下げた大振り子を作った。振り子を糸で結んでおき、糸をマッチで燃やして解き放つと、振り子は自重でゆっくりと揺れ始めた。振り子が1往復するのに16秒かかった。

 そして帰ってきた振り子は出発点から2.5ミリずれていた。この公開実験にパリ中が沸き立った。フーコーはそれに続けて、振り子が1周する時間を導く「正弦則」というかなり単純な方程式を発表した。今度は数学会が驚倒する番だった。振り子が1周する時間を精密に計測すれば、振り子の位置の緯度がたちどころに算出できる方程式だった。数学については素人同様だったフーコーは、天才的直感で振り子の動作を方程式で表した。

 現在、世界の科学博物館にはかならずと言っていいほどフーコーの振り子は展示されている。

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