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書物のラビリンス(迷宮)---本好きにはたまらない本の本

『「本」に恋して』松田哲夫著 家澤旬子イラスト 新潮社刊 2200円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2006年7月7日(金)

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松田
『「本」に恋して』松田哲夫著 家澤旬子イラスト

 高名な編集者の本に対する愛情、恋情が溢れていて、本好きにはこたえられない。さりげないこの本は、コスト削減の時代にあって、なんと部分的ではあるが2色刷りですぞ。

 本書でもっとも印象深い部分は、著者が精魂込めて作った書物をバラバラに解体していく章だ。あまり耳慣れない言葉がたくさん出てくる。「地券表紙」、「糸かがり」、「折丁」、「束」といった具合で、1冊の本にはこういった言葉を裏付ける伝統と技術が注入されていることを知る。

 印刷には様々な色のインキ(インク)を使う。本書も赤系の色を使ってイラストを見やすくしている。印刷に使われるものはインキ、万年筆はどうもインクみたいだ。印刷用の染料はインキと相場が決まっている。日本国内では東洋インキがシェア・トップで、大日本インキが第2位らしい。ところが、パソコンのプリンターはインク・ジェットでプリントする。IT時代の業界用語はどうもすっと行かないようだ。

 イラストが重要な位置を占める本書は、じつに楽しい。著者の書物解体中のイラストが32ページにある。まるでいたずら小僧だな。

柳田
『もう一度読みたかった本』 柳田邦男著

『もう一度読みたかった本』柳田邦男著 平凡社刊 1500円(税抜き)

 ある年齢に達したとき、人にいわれた。「これからはカイドクだな」。解読ではない。そんなことはもうできない。解読じゃない、改読だ、と説明された。いままで読んできた本を改めて読め、とその人は言ったのだ。

 本書は、その改読そのもの。若年の頃、胸躍らせて読んだ本を長じて読み返す。その作業の大切さを改めて知らされる。人それぞれ思い出の書物があるはずだ。指摘されて改読したくなる。いくつかは初読をしてみようと思った。本書は平凡社の月刊百科に連載したものを編纂したものだとして、「タイムトンネルをくぐって、青春時代の復習をするようなものだ、と「あとがき」に書く。

 改読はこれからの読書の航路図をもたらしてくれるという。その通り。読書は迷宮彷徨ではないのだ。でも、迷宮でもいい、読書が好きだ。

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