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「観察者」の面目躍如!『ドラッカー わが軌跡』

  • 江口 陽子

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2006年7月18日(火)

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 大学4年の時、研究室で働く助手が私に言った。

「どんな人が高い給料をもらえるのか知っていますか?」

 会社に勤めたこともない私は答えられず黙ってしまった。給料の高い人と安い人の違いについて、助手が言ったことは大まかに次のようなことだった。

 一番安いのは、「人に言われたことだけをやっている人」。真ん中が「現状を見て何が問題かを見抜き、改善策を提案できる人」だ。そして一番高いのが、「これから先、世の中がどう動くか見越して、今何をすべきかが分かる人」なのだという。

 私はこの話を聞いてなるほどと思った。それから20年以上が経った現代でもこの考えは通じると思う。もちろん、起業して成功するには、リーダーシップをはじめとするほかの要素も必要だ。とはいえ、先が読める力というのは、最低限リーダーに必要な要素なのだろう。

 周りを見渡し、先を読む力がある人を思い浮かべてみよう。私が真っ先にピンときたのは、マネジメントの泰斗、ピーター・F・ドラッカーだ。「経営戦略」「目標管理」「ベンチマーク」といったマネジメント理念の基を生み出し、さらに、『新しい現実』でソ連の崩壊を予言し世界的な反響を呼んだ人物である。

 彼の思想は多くの人に影響を与え続けた。それは盛田昭夫(ソニー創業者)、トーマス・ワトソン(米IBM創業者)といった著名な経営者だけではない。サッチャーの民営化の基本政策など、一国の首相にまで影響が及んだというから驚きだ。ドラッカーの歴史観と未来を見通す力量はだれもが認めるところなのである。

 本書はドラッカー自らが自身の半生を綴った自伝だ。といっても、その主人公はドラッカーではない。連作の短編小説のように、ドラッカーは彼を取り巻く人物たち――家族、友人、恩師などを主人公に据え、自らを登場人物の1人として描いていく。これまでドラッカーの論文のみを読んでいた人は、ドラッカーの意外な一面を発見するだろう。彼は単なる理論屋ではなく、人間も企業もじっくりと洞察する「観察の人」なのである。

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