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登山というチャレンジ

『サバイバル登山家』服部文祥著 みすず書房刊 2400円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2006年7月21日(金)

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『サバイバル登山家』服部文祥著

 サバイバル登山家というのはまさに本書の著者そのもののことだ。大学でワンダーフォーゲル部に属し、多くの大学生がヒマラヤの高山に遠征していくのを指をくわえて見ていた。そんな中で服部は究極の登山を見いだしていく。

 先鋭なフリークライミング。8000メートル峰K2登頂。知床半島冬季単独縦走。第一線の登山家として嚇々たる記録を築いていった。そんな中から服部が生み出したのが「サバイバル登山」だ。

 山登りを深く純粋に考えた時、道具を一つひとつ身体から外す。外しきった状態で大きな山塊に踏み込む。北海道の日高産地、黒部川奥地、そして南アルプス大井川源流地帯の大森林。タープという布きれ1枚で雨風をしのぐ。歩く道すがら捕まえたイナゴなどを餌に、奥深い淀みに潜むイワナを釣る。ガマガエルも喰う。釣れすぎたイワナは薫製にして持ち歩く。

 材木や小枝を集めてきて暖を取るために火のおこし方を述べるあたりは説得力があり、単なる炎が次第に温度を上げていく様子を詳細に記述する。ホモサピエンスもこんなふうに火をおこし、余剰の魚肉(獣肉)を薫製にしたんだろうな。獣肉がたくさんあったアフリカのジャングルから足を踏み出した途端に、ホモサピエンスの群はサバイバル歩行を強いられたに違いない。

 自分自身の体験の中から服部は、ごく単純な、それでいて自然を統べている真理にたどり着く。何日ぶりかのイワナを釣り上げて、即時に命を奪った時に、「能力が出来高に直結する」と。たき火の傍らでの哲学だな、これは。

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