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スクエニ和田社長に聞く、ネットの未来予想図

スクウェア・エニックス社長・CESA会長・和田洋一氏インタビュー(前編)

2006年7月28日(金)

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 家庭用ゲーム機市場でビッグヒットを連発し、「ファイナルファンタジーXI」ではオンラインゲームに乗り出し、ともに成功を収めているスクウェア・エニックス。社長であり、2006年5月25日にCESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)の会長に就任した和田洋一氏に、ゲームビジネスの現状と未来について「長期予報」を伺った。

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和田洋一:スクウェア・エニックス社長、CESA会長
和田洋一:スクウェア・エニックス社長、CESA会長 (写真:橋本 伸悟、以下同)

――和田社長の最近の発言をお聞きしていると、一番のキーワードは「ゲーム機産業からゲーム産業になる」という言葉だと思います。オンラインゲームならば、ゲーム機でもパソコンでもいい。マシンを問わずにコンテンツを受け取れるようになってきた。そんな時代に、ゲームを作る、あるいは遊ぶということは、どのように変わっていくのでしょう?


ゲームはいま、産みの苦しみの中にある

 「ゲーム機産業からゲーム産業になる」という言葉をキーワードとして捉えていただけるのは、非常にありがたいです。ただ、主役がハードからソフトになるということを申し上げているわけではありません。

 いま、ゲームというコンテンツそのものが、産業として脱皮するための産みの苦しみにある。そういった現状認識を持ちましょう、ということを共有できればいいなと思っているんです。

 ゲーム機産業というのは、特定のマシンを軸にしたビジネスモデルです。ハードを作っているところ――任天堂さんなんかは典型的ですけど――は自分でソフトを作っていて、でも、それだけでは足りないので、ほかのパブリッシャー、デベロッパーにソフト開発を呼びかけ、(市場活性化のために)テコを働かせているという状態でした。

 もちろん、それは市場が立ち上がるために最も効率がいいモデルでした。おかげさまで短期間で、一般ユーザーにエンターテインメントとしてのゲームが定着しました。でも、そうすると「ある会社の、ある商品に特化するために何をする?」 というふうに(産業全体の)お題が決まっていたんですよ。ユーザーはゲーム専用機という製品を楽しんでいて、ゲームメーカーはそこにソフトを供給してきたわけです。

――なるほど。しかし、今やゲーム専用機に限らず、携帯電話などのスペックも上がってしまい、専用機でなくてもゲームは遊べる。ゲームを楽しむ「ゲーム端末」が世の中に沢山あるような状況ですね。


「どう作って、どう届けるか」の自由度に戸惑う

 ええ。そして、どのゲーム端末でも相当のことができるようになった。メディアも進化した。DVDやCDが出てきて、さらにネット環境も整った。いろいろなメディアに乗っかって、いろいろな端末でコンテンツを提供できるようになりました。特定のゲーム機に特化したビジネスモデルに頼ることなく、ゲームというコンテンツそのものに、一定のマーケットがある状態になってきているんです。

 供給する側からいうと、どういう作り方をして、どのようにしてユーザーに届けるか? いくらで届けるか? いろいろなバリエーションがある状態になりました。そして、この状態は初めてなものですから、(ユーザー側も供給者側も)お互いに戸惑っているのだと思います。

――これまでのユーザーは、「ゲーム機、何買う?」といった言い方をするのが一般的だったように、ゲーム機を主体に考えていた。でも、これは古い言い方。さまざまな端末でゲームができるのだから、先に「これが遊びたい」と考えるのが本来あるべき姿だということですね?

 そうなんです。そんなふうに言うとハードを否定しているとか、ソフト側が偉そうに言っているとか、あるいは今までの生態系を壊そうとしているとか思われるかもしれませんが、そうじゃない。いま、現実がそうなっているんです。そこを認識して動くかどうかが重要なんです。

――開発者の方には「その特定のマシンの性能をとことん引き出すぜ!」というか、ハードに特化したコンテンツを作り込むところにパワーを使いたがる傾向があるような気しますが。


「標準モデル」は将来も出現しない

 そこに作り手側の戸惑いがあるんだと思いますよ。特にスクウェア・エニックスは、ハードのスペックを極限まで追求したハイエンドなゲームを作ろうとする会社です。それは大変素晴らしいことです。だけど、そのコンテンツをいろいろな端末で遊べるようにするのなら、ハイエンドってどこまでいっていいんだ? 上限設定を自分でやらなければならないという問題が出てくるわけです。

 これは技術的な側面だけではありません。プライシングにしてもそう。今までは、CDやDVDなら5800円から7800円、と決まっていたわけですよね。そういうものだとして予算計画を立てていました。ところがネットがメディアになったら、もう収支計画の段階から分からない。となると、いくらまでコストをかけるかというところから悩まなくてはならないんです。

――オンラインのビジネスでは、ソフトそのものは安く売って毎月使用料をとったり、パッチを当てたり、新たなアイテムを売ったときにお金を取るといった、これまでと違うビジネスモデルも誕生してきました。標準となるビジネスモデルが、いま世界的になくなりつつあるような気がします。

 おっしゃる通り。ここがポイントなんですけど、そのような標準的なモデルは、将来にわたってないんです。

――ないんですか?

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「スクエニ和田社長に聞く、ネットの未来予想図」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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