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「シェアのためのM&Aに意味はない」

スクウェア・エニックス社長・CESA会長・和田洋一氏インタビュー(後編)

2006年8月4日(金)

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(前編から読む)

 前回に引き続き、スクウェア・エニックス社長であり、2006年5月25日にCESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)の会長に就任した和田洋一氏にインタビューをお伝えする。専用のゲーム機に縛られた時代が終わり、現在は端末もメディアも選ばない業態になる移行期にある。前編でも語られた著作権問題の研究を進める一方で、新しいゲームを生み出すためには、企業経営のスタイルも変わっていく、と和田氏は予想していた。ゲームビジネスの「長期予報」、ぜひお読み頂きたい。

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和田洋一:スクウェア・エニックス社長、CESA会長 
和田洋一:スクウェア・エニックス社長、CESA会長 (写真:橋本 伸悟、以下同)

――日本における著作権は、海外の法律をそのまま引用して作ってしまった。実態を追い掛け、追い掛けとやっている間につぎはぎになり、もう誰が読んでも分からないものになりかけていると聞きます。

 日本だけではなく、各国ともそうです。みんなばらばらなんですよね。今こそが、著作権ということを考えるタイミングだと思いますよ。

 そもそも著作権というのは、クリエイティビティを喚起するため、あるいは流通させるためのものですから、その趣旨にそってもう一度考えましょう、ということです。

――お金と労力をかけて作ったものをコピーされて、ちょっと改編されたものがまたオリジナルとして売られてしまうと、クリエイターのモチベーションがなくなる。そんなところが今後、考える根っこになる?

 そうだと思いますね。本当に両方考えなきゃいけなくて。ちゃんと根っこのものを作る人を保護しないと、本当に作らなくなる。だけど一方で、守り過ぎると全然、発展しませんし、両方考えるというのが重要ですよね。


FFXIに出会って気がついた

――それにしても、ネットワーク社会のコンテンツは、メーカーとユーザーとの共同作品だとまで言い切っているゲームメーカーは、スクウェア・エニックス以外では、ほとんど聞きません。

 前職が全然、違う業界(野村證券)だったからかもしれませんが。どこかの本で読んだ話ではなく、「ファイナルファンタジーXI」というオンラインゲームをどうやって運営するかをみんなで考え、中で何が行われているかを観察した結果として出てきた戦略なんです。実務から考えると、そうとしか考えられないということですね。

 サービス開始のときにも、関係者に、このゲームで法律も経済も経営もコンテンツの作り方も全部変わる。大変なポテンシャルを持っていると言っていました。それぐらい広範囲な問題提起をするコンテンツなんだぞと。

 でも戦略を実行に移すために、いろいろな人と話したり、いろいろな本を読んでみると、1990年代後半から2000年の初頭にかけて、こういった議論のほとんどは、すでにアメリカでされていたんですね。かなりまとまった論文として出ていました。もっとも、それが実際に実行されているわけではない。逆にあれを読んでやってなかったというのは、どうかしているんじゃないかと思いましたが(笑)。


今後のテレビゲームの姿が見えてくるのは3年後

――この年末にいろいろなゲーム機が出てきて、ゲーム機以外でもパソコンのOSが出ますし、ケータイもどんどん進化していく。そんな中で、今後のゲームビジネスはどうなっていくのでしょう?

 従来のゲームと違うものが出てこないとまずいと思いますよ。それらのゲームにどれくらい潜在力があるかというと、任天堂さんの例(ニンテンドーDSのヒットソフト群のこと)を見るとわかります。

 あれが唯一の解ではなく、解の1つです。それがぽっと当たるだけでドカンと来る。こういう新しいものをユーザーは求めている。でもエンターテインメントは必需品ではないから、何を求めたらいいのか、ユーザー側には分からないんです。

 これは作る側が考えるしかない。ユーザーの1人としてのクリエーター自身が、新しいスタイルに対する勘が出てくるまでは、なかなか出てこないですね。あと1~2年は、まだ戸惑いがあるでしょう。だけど、水面下ではすごく動いていると思います。

――何年ぐらい先を期待していていいのでしょう?

 3年後には、必ずいくつかが既に立ち上がっている。ただ、どのタイミングで立ち上がるかは分からないです。それは運とか縁とか流れとかいう話。やはりエンターテインメントですから、どこで盛り上がるかは分からないんですよ。

――ユーザーとしてはなるべく早く出ると嬉しいのですが(笑)。

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「「シェアのためのM&Aに意味はない」」の著者

野安 ゆきお

野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

ファミコン時代からゲーム業界に参加。1000本以上のソフトを体験し、100冊を超えるゲーム攻略本制作に参加している。ゲーム雑誌編集部、編集プロダクションを経て、現在はフリーランスとして活動中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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