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ペットの気持ち、分かる? ペットと、お話できる?

『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』 テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン著 中尾ゆかり訳 日本放送出版協会刊 3200円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2006年8月11日(金)

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『動物感覚 アニマル・マインドを読み解く』 テンプル・グランディン、キャサリン・ジョンソン著

 最初に言っておきたいことは、本書の主著者テンプル・グランディンは自閉症である。自閉症にもいろいろ症状はあるが、その中でもサヴァン自閉症と診断されている。

 サヴァンとは、フランス語で「学者」、とか「良く知る人」というような意味。自閉症患者にありがちな、ある分野に突出した、天才に近い才能を発揮する症状のことを言う。テンプルは動物の言葉が分かるのだ。子どもの時からウマやイヌとつき合い、独自の方法と感受性で動物たちとつき合ってきた。

 その感受性は健常者が見るとびっくりするほど深く、密接である。そうしたテンプルが、それまでの動物たちとつき合ってきた人生を、ほとんど動物たちの目線で書き綴ったのが本書だ。

 テンプルはアメリカの食肉処理場に新しい装置を、牛の気持ちになって発明導入し、大成功を収めた。ほとんどの牛は屠殺される前に、最終進入路に入るのを嫌がる。それはアメリカの大規模精肉業界の悩みの種だった。テンプルは牛の視点からその導入路を見て、牛が喜んで最後の道に入っていけるようなシステムを考案した。テンプルがサヴァン自閉症児だったからこその、成功だと言っていい。

 テンプルが確かに動物と話が交わせたことは、この本の原題「アニマルズ・イン・トランスレーション(翻訳)」によく表されている。オオカミと親しくなったピアニストであるグリモーの『野生のしらべ』のことをちょっと思い出した。

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『犬の科学 ほんとうの性格、行動、歴史を知る』 スティーブン・ブディアンスキー著

『犬の科学 ほんとうの性格、行動、歴史を知る』 スティーブン・ブディアンスキー著 築地書館刊 2400円(税抜き)

 遺伝子の研究は近年活発だ。犬に備わっているDNAの中にあるミトコンドリアDNAの研究の結果、犬はオオカミから13万5000年前に分岐したことが解明された。こうして誕生した犬はおよそ10万年前に人間社会に入り込んだ。社会に入り込むということは、一緒に生活し、一緒に移動し、感情を共有したということだ。

 我らが古い友達としての犬。著者が飼っているボーダーコリーは電話がかかっている間は黙っている。でも声の口調で電話が終わりそうになると吠え始める。電話が終わると飼い主にすり寄る、のだそうだ。こんな犬がいたら、ご近所づき合いも悪くはないかな、とも思う。

 犬の人間との社会生活について様々なエピソードを読み、最後の警句が利いてくる。

     イヌが人間なら、タダのマヌケだ。
     イヌはイヌだから素晴らしい。そのことを直視しよう。

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