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異常気象の正体

『異常気象の正体』ジョン・D・コックス著 東郷えりか訳 河出書房新社刊 1800円(税抜き)

  • 松島 駿二郎

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2006年9月1日(金)

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『異常気象の正体』ジョン・D・コックス著 東郷えりか訳

 本書はウェーゲナーのグリーンランド探検から始まる。ウェーゲナーは吹きすさぶ強風と吹雪の中に雪洞を掘って生き抜いていた。1930年のウェーゲナー最後の探検で彼は1つの大きなアイデアを得ていた。

 グリーンランドには厚さ3千メートルに達しようという氷床があり、その氷をボーリングして円筒形のコアを掘り出せば、氷の層がまるで樹木の年輪のように1年ごとの変異を表しているのではないか。緑が全くないこの世界最大の島がなぜグリーンランドと呼ばれるかという謎が、ひょっとしたら解明できるのではないか、と思いついたのだ。

 ウェーゲナーはこの年、氷床の謎を解こうと果てしなく続く氷の彼方に、1人のグリーンランド人とともに出かけていってそのまま帰らなかった。

 翌年、彼の墓が発見され、丁寧な検死の結果、疲労のあまりの心臓麻痺だったことが分かった。ウェーゲナーの死は無駄にならなかった。氷床からコアを掘り出す作業がその後も、石油採掘業、鉱山業などの技術を移転して、こつこつと続いた。

 そしてついに1965年の地球観測年に氷床の基底岩にたどり着いた。全く新たな古代気象学が始まった。氷の層には、それぞれの年代ごとに顕微鏡レベルでの炭素の放射性同位元素が含まれている。

 氷の層の年代が推定され、地球が寒冷に覆われていた寒期、比較的温暖だった温暖期が目の前の氷のコアから見えてきた。そして寒気と温暖期のやってくるリズムも目の前の試料が示していた。

 スカンディナビア人「赤毛のエリック」が勇躍グリーンランドに上陸し、植民地を築いたのは温暖期の最中だった。植民地は繁栄する。当時はグリーンランドは文字通り緑にあふれる大地だった。ところが急激に時代は寒期に変わっていく。急速に緑は消え去り、強風と吹雪の日々が戻ってきた。エリックの築いた植民地は撤退せざるを得ず、少数のイヌイットたちが残るだけだった。

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