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おもしろかった本について語るとき、自然と言葉が勢いづく。そのことを指摘すると、自らを「紹介魔なんで」と称して笑った。
撮影の合間、そんな「紹介魔ぶり」を証明するエピソードが飛び出した。広報の担当者が「社長は忘れていると思うんですが」と前置きしながら、社長から本をもらったことがあると語ってくれた。それは、彼女がIMJに内定したとき、仕事の心得を説いた『にわとりを殺すな』(ケビン・D. ワン)という本を贈られたという“ちょっといい話”だった。
※(お薦め本リストはこちら)
よかった本は、うちの社員やグループの役員、社長仲間とかにも薦めます。この前も、役員に月1冊「はい、課題図書」って出しておいて、それについて合宿で議論をしたんです。そのうちの1冊が『成功者の告白』(神田昌典)。このなかに、社内のムードをよくするための一種のゲームが出てくるんですね。
ボールを持った人が24時間以内に起こったいいことを話したり、「承認の輪」という身近な人を称賛したりする。合宿のとき、実際にこれを役員全員でやってみたんです。「誰々さんと一緒に働けてすごくよかった、なぜならば……」と話しながら、ボールを回す。なんか気恥ずかしいけど、いい感じになるんです。結構よかったので、ほかの部でも試しているみたいですよ。
それから、今年のIMJの社内向けスローガン「チャレンジ・チャレンジ・チャレンジ」は『仕事は楽しいかね?』(デイル・ドーテン)からきてます。よく変化する企業だけが生き残る、と誰もが言いますよね。だけどみんな変化は怖い。でもこの本は「人って変化することは嫌いだけれども、試してみることは誰でも好きなんですよ」という言い方をしている。「試すことをおもしろがれるマインドや環境があれば、みんなが楽しんでチャレンジできる」というコンセプトが書かれているんです。この考え方は絶対にいけると思ってスローガンにしました。
本を読んでいいと思ったことは、すぐに取り入れる。これまでとは違う切り口やコンセプトを本のなかに発見すると「やられた」と思う。そして、負けずに何かを考えだしたくなる。本を読むときはいつも「読みながら戦っている」状態なのだ。
そこで、これまでに“「やられた」と思った人”を尋ねてみると、「大前研一」「中谷彰宏」という超有名人2人の名前が挙がった。
記憶する限りは「道州制」なんて言いだしたのはたぶん、大前研一さんが最初のような気がするんです。そういう新しい世の中のくくり方とか、概念とかみたいなことを話される人は、僕はすごく好きですね。
中谷彰宏さんは、一部では「これが本なのか」という人はいますけど、僕は彼の考え方をすごくおもしろいと思っているんです。「しょせん本なんて2割参考になる部分があったら大儲け」っていう発想とか。あと『面接の達人』も、「あれは本じゃなくてシステムなんですよ」と言っていてね。本を読んで就職活動をやった人が、「この企業はどうだった」「面接はこうしたほうがいい」と返してきて、それが来年のコンテンツになる。そうして「男子編」「女子編」「商社編」「銀行編」というように、自己増殖できるシステムなんですと。
いまインターネットでやっていることを、あの人は当時、書籍でやっていたんですから素晴らしいですよ。あの人は作家じゃなくて、アナログメディアでインターネットをやっていた人なんです。
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